7話 答えを求めて Dパート

 夕暮ゆうぐれの思路川しろがわ

 遠い目をしたスーツ姿すがたの男が、河川敷かせんしきにたたずんでいた。短い草におおわれた斜面しゃめんに。髪型かみがたもあいまって、つかれてすわっている会社員かいしゃいんにしか見えない。

「やるしかないか。コウヘイとソウマじゃ、無理むりだからな」

 同僚どうりょうの名前がつぶやかれた。

 上着うわぎの内ポケットから、スマートフォンのようなものを取り出す。黒い。

 しばらく見つめた。画面がめんにはれない。

 無言むごんで元の場所ばしょに戻して、立ち上がる。かげが長い。動き出した。


「こいつ、ちがう」

「力にぜんあくもない」

 こげ茶色のロングコート姿すがたの男性が、黒いベルトを取り出した。

 黒い怪人かいじん圧倒あっとうする、赤い大男おおおとこ

「知らなかったんだ! こんな。こんなこと!」

 少年のほおを、なみだつたう。

 次回。

怪人かいじん正体しょうたい

 ギアロード・ソーグはフィクションです。実在の人物や団体名とは関係ありません。



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