3章
幕間
―――
アカシックレコードという言葉をご存知だろうか?
レコードとは記録。
アカシックとはサンスクリット語のアーカーシャに由来する【虚空】【空間】を示す言葉。
アカシックレコードとは宇宙誕生からのすべての事象、思想、感情が記録されている知識の集合体。この世界の歴史そのもの。
霊長類なんて言葉で気どる人間の生んだ妄想の産物。
この世界には解明されていない謎や証明されていない現象が数多く残されているけど、この宇宙で暮らす生命は、生まれながらにしてこの万能の情報源にアクセスする力を持っているという。その方法を知らないだけで。
だから、その謎は謎じゃない。答えの思い出せないテスト問題みたいなものだ。
ただまぁ、
アカシックレコードは科学的な根拠が何ひとつなく、存在は証明されているわけじゃない。
その形状は門とも図書館とも言われているのだけれど、現実世界の理科を管理しているボク達の間でも今やそれはオカルトとして分類されている。
いつの日かその門を開く者が現れ、真理へとたどり着いた者が新しい世界へと導いてくれる。
ボクは人類にそこそこの期待をしていたんだけど、そんな伝説じみた昔話も今では語られなくなっていた。
単一の種族だけではどうやら自発的にそこに行き着いてはくれないようだ。
だからボクは行動を起こすことにした。
それが事の発端さ。――――
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