無才の虹　～天杜雨祗と殺し屋たち～

「まぁ、相手が誰であれ、私が軽く捻り潰してあげるよ」

殺し屋に狙われた僕を救ってくれたのは、僕の幼馴染だった。


天杜（あまもり）家。
それは大国にも勝る権力を持つと呼ばれる大財閥の一族。
表の顔は、世界の政治経済に影響を及ぼす資本家にして実業家。
裏の顔は、政治家や財界人、テロリストに至るまで融資する闇金融業者。
そして真の顔は、殺し屋を専門として殺害する組織――通称【殺し屋殺し】。

これは天杜家の娘――才能まみれ――天杜雨祗（うぎ）と、彼女に付きまとわれる僕――無才者――蛇目黄道（じゃのめ　きみち）との、因縁に抗う血生臭い物語である。