第36話 お別れ会して何が悪い!



「じゃあ、すっしーの合格祝いとお別れ会を始めるぞ!」

「うん!」

「ありがとな」


 今俺たちは、ファミレスに来ている。本当は飲み屋が良かったのだが、年確されて入れませんでした。ちくしょう。


「じゃあ、グラスを持ってー」

「「「かんぱーい!」」」


 グラスの中身はジュースだけどね。




「すっしーが東京かー。これから我らはどうすればいいのやら」

「ホントだよね。高明がいなきゃ暇でしょうがないよ」

「瑠。そこはひま○こだろ」

「いらないツッコミしないでよ……」


 ホントたーちゃんと瑠との付き合いは長かったなー。瑠に至っては、中1からの付き合いだもんな。


「月日が経つのは早いもんだな」

「急にどうしたの? 高明」

「いやさ、ついこの間中学卒業したばっかなのに、もう高校卒業の年かって思ったらさ」

「確かにな。我ももう20にだもんな。最初あった時は17とかだったのに」


 マジで、月日の流れが早すぎ謙信。


「そっか。言われてみればそうだね」

「だろ? 俺らって少しは成長したのかな?」

「「いや、してないだろ(でしょ)」」

「デスヨネー」


 うん。知ってた。この年になってまで、外でデカい声で下ネタ言ってんだもんな。


「さあて、マジでこれからどうするか決めないとな」

「そうだね。高明がいなくなってからのボクたちの進路を」

「瑠は結局、卒業したらどうするんだ?」


 そういえば、コイツの進路の話まったく聞いたことがなかったな。


「ボクはとりあえず、ここに残ってバイトみたいなので食いつなぐよ」

「そうなのね。頼むからたーちゃんみたいにはならないでくれよ?」

「おい。それはどーゆーことだ。すっしー」


 いや、言葉のままの意味だろ。


「無職になるなってことだよ」

「無職の何が悪い!」

「「いや、無職は悪いでしょ」」

「な、なんだと」


 いや、なんでそんなに驚くんだよ。


「でも、お前らだって無職じゃん!」

「いや、俺らは学生だから」

「そうだよ。だっぷんは学生じゃないでしょ?」

「ファ○ク! そんなの理不尽だ!」


 いや、常識よ。常識。


「そんなことより、メシ食おうぜ。冷めちゃう」

「萎えちゃう? ち○ぽみたいに?」

「だっぷんは1回耳鼻科行った方がいいよ」

「俺もそう思う」


 ホント、たーちゃんって時々俺らと同じ人間かどうか疑うときがあるわ。




 そうして、恙なく俺のお別れ会が過ぎて行った。


「今何時?」

「卍」

「ぶっ殺すぞ。たーちゃん」

「ごめんて。今は11時だよ」

「もうそんな時間か。まあ、俺はまだ大丈夫だけどお前らは?」

「そんなことを我らに聞くのか?」


 うん。知ってたお前らが暇だってことは。


「一応聞いといただけだよ」

「高明、聞くだけ無駄だよ」


 瑠までもがこんなことを言い始めるなんて。世も末だな。


「時に田中よ。ホントにすっしーが東京に行ったらどうするよ」

「それはもう仕方ないでしょ。公園かスーパーにたまって、用が無くなったら帰る」

「やっぱそれしかないか~」

「むしろそれ以外はないよ」


 なんか、ある意味申し訳ないな。てか、俺そこまで重要人物だったの?


「違うよ? ボクたちの暇つぶし相手」

「思考を読むのはいいけど、その解答だけは言わないでほしかったよ」


 まだたーちゃんに言われるなら、冗談で返せるけど瑠に言われたら、心に来るものがある。あれ? おかしいな。目からしょんべんが。


「とまあ、冗談は置いといて」

「すっしー、なんも言ってなくね?」


 なんでコイツはこーゆー時の思考は読めないんだよ。


「まあ、俺も夏休みとかは帰ってくるからそんなに悩まなくてもいいんじゃね?」

「そんな特別イベントに期待して待ってろみたいな感じで我らが我慢できるとでも?」


 いや、してくれよ。


「でも、実際に高明がいなくなってからじゃないと、決めようがなくない? 実感ないし」

「確かにな。セフレもいる時はヤりたいと思わないけど、いなくなるとヤりたいって思えるようなもんだもんな」

「いや、たーちゃん童貞じゃん」

「童貞のくせに何をほざいてるの?」


 わお。瑠の言葉が厳しいよ~。


「そんなに童貞童貞って言わないでもいいじゃないか……」


 あっ、たーちゃん結構ガチで凹んだよ。


「まあまあ。いつかたーちゃんも童貞を捨てれる日がくるさ」

「そうだね。風俗にでも行けば?」


 瑠よ。それは最終手段だよ。


「ホント、お前らって我の扱い雑杉謙信じゃね? 一応年上よ? 我」

「「あっ、忘れてた」」

「もう、ホント酷い……」


 だって、たーちゃんがいじりやすいのがいけないよな。俺らは悪くない。


「しばらくいじれなくなるからな。今のウチにいじっとかないと」

「ボクは関係なしにいじるけどね」

「お前らー!」


 コイツらといるのもあと少しか。ずっと一緒にいるとだるい時もあるけど、やっぱ、いざ離れるとなると、少しだけ寂しいって感じるもんだな。


「ん? 高明どうしたの?」

「まさかすっしー、眠くなってきたんじゃないだろうな」

「バカ言え。今日は夕方まで寝てたんだから眠いわけないだろ」

「「クソニートめ」」

「いや、お前らにだけは言われたくねーよ……」


 そうして俺たちは、朝までファミレスでお別れ会をしていた。後日、そのファミレスを出禁になりました☆ なんで最後に出禁にならなきゃならんのだ。



※お別れ会はほどほどの時間で切り上げましょう

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