第21話 トイレ爆破して何が悪い!



 夏も終わり、少し肌寒くなってきたころの夜に事件は起きた。


「なあ、すっしー」

「んー? なにー?」


 今は俺んちで、たーちゃんと瑠とでだらだらしていた。だらだらするくらいなら帰ってくんねーかな。アニメ見たい。そんな時に急にたーちゃんが俺の名を呼んできた。まあ、俺の名前じゃないけどさ。


「この部屋寒くね?」

「なら帰って温まれば?」

「なんでシンプルに我に帰宅を促した……」


 いや、帰宅してほしいからだよ。


「でも、温まる手段ないよ?」

「そうだぞ。瑠の言うとおりだ」

「ふっふっふ。我がなにも考えてないと思うか?」


 何考えがあるんだろうけど、どうせ、くだらないことだろうな。


「なにかあるの?」

「よくぞ聞いてくれた! 田中氏! 中○し!」

「だっぷん、表出て。その腐った頭ぶん殴って治してあげる」

「すま○こ。だから許してごめんなさい」

「お前ら、なにやってんだよ……」


 ホント、なにやってんだか。




「で、たーちゃん。その手段は?」

「とりあえず、場所を移動する」

「この寒い中外に出るの!? ボクやだよ~」


 なに。今の。瑠、お前いつからそんなに天使になったの? 俺を癒してくれるの? よし。セッ○スしよう。


「何考えてるの? 高明?」

「なにも考えておりません」


 危ねええええええ! また瑠にディスられるとこだった。


「まあ、いいからとりあえず我についてこい!」

「「はーい」」


 まったく。たーちゃんの考えてることはわからんわ。




「よし、じゃあトイレに行くぞ!」


 公園に着いた俺たちは、たーちゃんの指示に従いトイレへと向かった。……なんでトイレ?


「なんでトイレに来たの? だっぷん」

「それはな……これのためだ!」


 そう言って、たーちゃんが掲げたのはトイレットペーパーだった。


「そんなん何に使うんだよ」

「よくぞ聞いてくれた。すっしー」


 このテンションウゼェ……。


「トイレットペーパーをしょんべん用の便器に設置して、燃やして暖炉を作るのだ!」

「な、なんだと! たーちゃん、頭沸いてるな!!」

「ふっ、そんなに褒めるな。すっしー」

「いや、マジ頭おかしいよ! スゲー!!」

「いや、だっぷん。高明別に褒めてないし、高明も絶賛する感じでディスらないでよ……」


 さすが瑠。ナイスツッコみ。


「そんなことはどうでもいい! とりあえず燃やして温まろう!」


 たーちゃんはそう言うと、便器にトイレットペーパーをセットし、ライターで火をつけ始めた。おっ、意外と暖かい。


「意外と暖かいね」

「だろ? さすが我だ!」

「童貞なのにすごいな」

「今、それ言う必要あった!? 無いよね!?」


 たーちゃんはホントに自分が童貞ってこと気にしてんな。まあ、面白いからいいけど。


「まあまあ、落ち着けってたーちゃん」

「これが落ち着いていられるものか!」

「そんなことより、火消えかかってるよ」


 瑠がそう言い、便器の方を見てみると本当火が、消えかかっていた。


「たーちゃん、まだトイレットペーパーある?」

「まだあるよ。投下する?」

「その方がいいだろ。暖かいし」


 追加でトイレットペーパーを投下し、なんとか火が消えるのを阻止した。寒いの嫌だしね。


「とりあえず、温まることはできたが何やるんだ?」

「それボクも思った。なんかやるの?」

「いや、特には?」


 だろうと思いました。たーちゃんが2個先のことを考えてるわけがない。


「だったらボク帰っていい? 普通に家帰ったほうが絶対いい」

「その意見には俺も同感だわ。パイ○ンにしようぜ」

「ちょっと待って! なんでそうなるんだよ! お前らもしや、早漏だな?」

「よし。帰るか」

「そうだね。帰ろう」

「ごめんて! 許して!」


 ホントにコイツは余計なことばかり言うんだから。


「しゃーねーなー。はあ、タバコでも吸うかな」


 俺は、ポケットからタバコの箱とライターを取りだし、タバコを1本咥え火をつけようとする。


「ん?」

「どうした? すっしー」

「火がつかねえ。たーちゃんライター貸して」


 俺のライターはオイルがきれたのか、火がつかなかった。


「こんなんもういらんわ」


 俺は火のつかなくなったライターを便器の中に捨てた。


「お、おい。ライター爆発するんじゃないのか?」

「大丈夫だろ。オイル無いし」

「これで、爆発したら面白いけどね」


 瑠って、意外とぶっ飛んだこと好きだよなー。


「とりあえず、たーちゃんライター貸して」

「あいよー」

 たーちゃんからライターを借り、タバコに火をつける。あーあ、いつからタバコがなきゃいけれなくなったんだろうな。


「フーッ」

「高明、ボクタバコ無くなっちゃったから1本頂戴」

「お兄ちゃんと呼んでくれたらあげよう」

「はっ倒しますよ?」

「ごめんなさい」


 お兄ちゃんと呼ばれたかった……。


「ひま○こだなー」

「セッ○スしたい」

「だっぷんはホントに黙りなさい」

「俺もセッ○スしたい」

「なんで、高明も言うのかな!?」


 だってここ最近、あの魅惑の穴にツッコんでないんだもん。俺もそろそろエデンへ旅立ちたい。


「瑠はどーせ昨日、彼女のま○こに、瑠の極太チ○ポをイグニッションしたんだろ?」

「高明、お願いだから死んでよ……」


 瑠に死を願われてしまった。死のうかな。死んじゃおうかな♪


「はあ、ボク本当に疲れちゃったからもう帰るね」

「あっ、じゃあ俺も帰ろーっと」

「えっ!? 嘘でしょ!?」


 俺と瑠が帰る準備を始めたときだった。





ドッバアアアアアアアアアアアン!!!!





「「「っ!!?!?!??!!」」」


 急に、爆発音がトイレに響き、不意なことから俺たちは声にならないほどびっくりしてトイレから逃げ出した。


「な、なんだよ! 今の!」

「なんか爆発した……てか、あれ、すっしーのライターのせいじゃね?」

「それしかないでしょ! 何やってるんだよ。もう……」

「いやー、まさか本当に爆発するとは思わなかったな」

「トイレ見に行ってみる?」

「そうするか」


 俺たちは、爆発した便器を見にトイレへと戻った。


「うわー……悲惨なことになってるな」

「すっしー、これヤバくね?」


 便器は粉々になっており、水が床にダダ漏れになっていた。


「これ、通報されたら終わりだな」

「高明もついに前科持ちかー」

「勝手に捕まえないで!」

「とりあえず、逃げた方がいいな」


 俺たちはその場からさっさと消え、別の場所に移動した。すると、早速、そう遠くないところからサイレンの音が聞こえてきた。


「あと少し遅かったら終わってたな……」

「確かに……」

「もう、トイレットペーパー燃やすのやめような……」


 いや、どっちかって言うと火にライター入れるのをやめたほうがいいんだけどな。



※良い子のみんなはマネしないように

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