第22話 リア充撲滅運動して何が悪い!



「はあ~、死にて」


 俺は今、1人で街を歩いている。なぜか? 暇だったから。だが、それは完全に間違いだった。その理由は……。


「どこもかしこもリア充ばっかじゃねーかよ……」


 今日は世間一般では休日のせいで、街にはリア充ばかり。死にたくなるな……。


「なんで、こんなタイミングで外出ちまったんだろう。大人しく家でシコっててりゃよかった……」


 どこを見てもカップル、カップル、カップル。ったっく、爆発しろよ。むしろしてくれ。


「とりあえず、チェイサーの中に戻ろうかや……」


 もう、リア充の中にいるのが耐えられなくなった俺は、車の中に逃げ込んだ。だって俺1人なんだもん。辛いよ。


「ちっ、カップルどもめ……復讐してやる」


 俺は密かにカップルへの復讐心を燃やしていた。逆恨みじゃないかって? うるせえ、ぶっ殺すぞ。




「さて、どうやってカップルどもに復讐してやろうか」


 俺は今、車の中で復讐について考えていた。


「やっぱ、1番簡単で分かりやすいのはこの車で煽ることかや」


 この車は、カーセッ○スbreaking(※4話参照)でも使われているほどのヤン車だからな。


「カーセッ○スと同じ方法で行くかな」


 俺はリア充どもの巣窟へ車を走らせた。




 リア充の巣窟へ着くと、俺は一旦車のエンジンを切り、リア充どもを観察した。


「あいつら! 今こっち見てチューしやがった!!」


 1組のカップルが俺と目が合ったのにも関わらず、お構いなしに見せつけるようにキスをしやがった。はい。Guilty。


「最初の獲物はあいつらだな」


 俺は、チェイサーのエンジンをかけさっき俺の目の前でチューをかましたカップルに近づいた。


 ブオオオオン!! ブンブン!! ブオオオオオン!!!


 最初からアクセルべた踏みにし、カップルを威嚇する。おーおー、怯えてるね~。いいね~


「もっとやってあげよう!」


 ブオオオン!! ブオンンブオオオン!!


 さらにエンジンを唸らせ、カップルを威嚇すると、恐れをなしたカップルは走って逃げて行った。


「はっはー! サイッコウだぜえええ!!」


 だんだんテンション上がってきました!! テン上げー!!


「カップルどもを煽るのってこんなに楽しいものなのか! なぜ俺はこんなに楽しいことを知らなかったのだろう」


 ヤバい。もっとやりたい。アイツらの幸せ空間をぶち壊してやりたい。まず、公共の施設であんな破廉恥なことをしてるんだよ。近頃の若者は、もうちょっと常識を身に着けたほうが良い。


「さて、次のターゲットを決めるかな」


 俺は、車を走らせ次のカップルどもを探した。今日はとりあえず、3組くらいのカップルを破壊したい。


「おっ、アイツらでいいか」


 ちょっと遠目でよくわからないが、彼氏が彼女の肩を抱いて、彼女は彼氏の肩に頭を乗っけているカップルがいた。いいな。俺もやりt……別にやりたくねえし。


「さて、恐れおののけ。リア充でも!」


 俺は先ほどの要領で、カップルに近づき、チェイサーのエンジン音で威嚇した。


 ブオオオオオン!!!


 すると、先ほどのカップルよりも粘らずに、俺のほうを見て一目散に逃げてしまった。


「なんだよ。今回のやつはそこまで面白くなかったな」

「て、俺なにやってんだろ……」


 ここにきてまさかの、賢者モードに突入! 嘘でしょ……


「せっかくの休日なのに、なんで他人に構ってやんなきゃいけないんだろうな……」


 ホント、大切な休日なのに。あっ、俺は年がら年中休日でした☆


「てことは、別に1日ぐらい無駄にしてもよくね?」


 いや、むしろ毎日暇なんだから今日ぐらい予定が入っていてもいいんですよ! てことで続行!!


「さーて、カップルどもの幸せな日々を潰しに行きますかな!」


 俺は、もう1度自分の中のエンジンを掛け直し、リア充どもの邪魔をしに向かった。




「いねえ……」


 俺が、ちょっと賢者モードに入っている間に先ほどまで、アリのように群れていたリア充どもが、きれいさっぱりいなくなっていた。……なんで?


「ちょっと君」

「はい?」


 車を止め、辺りを見ていると急に窓を叩かれ、声が聞こえてきた。


「私、こういうものだけど」

「……ワオ」


 はい、俺の反応を見てわかった人もいるでしょうね。そう! 正解だ! ポリだ!


「あのー、警察が俺に何の御用で?」


 大体理由はわかっているんだけどね。


「ここら辺ですごくうるさい車のエンジン音で、通行人を威嚇している奴がいるって通報が入ってね」


 あっはー! それ俺だわ! 俺の予想通り過ぎてなんも言えねー! はあ……


「それって君のことだよね?」

「……よくお分かりで」

「ちょっと、署の方までいいかな?」

「了解いたしました……」


 そのまま大人しく俺は、警察署までついて行った。処罰は点数を引かれただけだったが、これ以上引かれたら、免許取り消しの所まで来てしまった。あれもこれもすべてリア充のせいだ! リア充許すまじ! 今度こそしっかりとした復讐をしてやる!!←逆恨みです



※良い子のみんなはこんな大人にならないようにしましょう

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