第23話 エスカレーターでパンツ見て何が悪い!



「パンツ見たくね?」


 また始まったよ。たーちゃんのアホな提案。


「この前、下着で遊んだじゃんかよ」

「あれは、なかったことにする。我はJKのパンツがみたいだよ」


 まあ、確かにJKのパンツは貴重だけども。ただその分見るのが難しい。


「じゃあ、お前の知り合いのビッチどものパンツでも見せてもらえよ」


 たーちゃんは意外と女の知り合いが多い。なのになんで童貞なんだろうな……


「そんな奴らのパンツなんか見てもち○こ、勃たねえよ!」

「なに? お前ちゃんと学校行ってるJKのパンツ見たいの?」

「そう! よく分かったな! すっしー!」


 分かりたくなかったけどな。あっ、ちなみに今日瑠は彼女とデートらしい。もうアイツらカップルはなんでもピーヤ。


「と、言う事でパンツ見に行かね?」

「え、やだ」

「なんで!?」

「単純に昨日ちょっと用事があって、アニメ見れなかったから帰ってアニメみたい」


 昨日はカップルどものせいで痛い目見たからな……(※22話参照)


「えー、そんなこと言うなよー。見に行こうよー。パンツー」

「だって、確実に見れるわけじゃないじゃん」


 パンツなんてそうそう見れるものじゃない。そんな頻繁に見れるならわざわざ見に行こうなんて言わない、という事は確実に見れない=時間の無駄。


「俺はそんなことに時間を使うぐらいなら家帰ってアニメ見たい」

「アニメはいつでも見れるじゃーん。今日のパンツは今日しか見れないんだぞ!」


 こいつは何を言ってるんだ。まったく。だが……


「その言葉に心打たれた俺がいる」

「おっ! 行く気になってくれたか!」

「もしパンツ見るとしたらどこで見るんだ?」

「駅前のエスカレーターの前に寝そべって見る!」

「……」


 前からバカだバカだと思っていたけどここまでバカだとは……救いようがねえな。断ろう。


「よし。その話ノッタ」

「さすがすっしー!」


 あれ? 俺断るんじゃなかったのん? この語尾はキモいな……


「はあ、しゃーなしだ。だけど、30分経っても見れなかったら帰るぞ?」

「りょーかいだ! やっほー!パンツ♪ パンツ♪」

「うん。シンプルにキモい」

「最近、我への当たりつよない?」


 そりゃ、毎度こんなバカみたいなこと提案されてたら当たりも強くなるわ。




 俺の車に乗り込み、俺とたーちゃんで駅前に向かった。


「で、これからどーすんの?」

とりあえず、エスカレーターの前に行こう」


 俺はたーちゃんの指示に従って俺たちはエスカレーターの前に移動した。


「さてさて、我らのパンツを迎えに行きますか!」

「無駄にテンション高いな……」


 ったくなんでこんなことに俺が付き合わなきゃいけないんだか。


「おおー! JKがいっぱいおる!!」

「そりゃ、もう帰宅時間だからな」


 なにをコイツは当たり前のことをいっているんだか。


「さあ、すっしー! パンツを見よう!」

「はいはい」


 さて、このアホに付き合いますかな。べ、別に俺もパンツ見たいとかじゃないんだからね! ……キモいな。




 さて、ここでパンツの見方をご紹介しよう。まず、エスカレーターに入る場所に寝っころがります。そうするとたまに、アホなJKはその上を跨いでエスカレーターに入ろうとします。その時にパンツが見えます。もししくは、エスカレーターで上っているJKのパンツを下から見ることもできます。以上。


「いつもはこれで見えるんだけどな……」

「なんで、今日に限って中々見れないんだ。パンツ神は我らを見放したのか……」


 なんだよパンツ神って。頭弱いにもほどがあるだろ。


「てか、ホントに見えないな。これは今日は駄目なんじゃね?」

「いや、わからんぞ。もしかしたら見えるかもしれん。最後まで希望を捨てるな。すっしー」


 何の希望だよ。別に俺はそこまでパンツ見たいわけじゃないんだけど。


「す、すっしー! Jkの集団が来たぞ!」

「な、なに!!」


 少し遠めの方から、帰宅中のJKの集団がエスカレーターの歩に向かってきた。


「こ、これはパンツが見れるぞ!」

「たーちゃん。そんなに興奮するなよ。通報される」


 ん? 通報?


「たーちゃん、この行為って通報されないだ?」

「……考えてなかった」


 これはまずい奴だな。


「だが! 捕まっても、パンツが見れれば本望!」

「いや、そんなことで捕まりたくないんだけど……」


 そんなこと言ってるとJK集団がもうすぐそばまで来ていた。


「おい、たーちゃん! 来たぞ!」

「おー! とうとう我らがエデンを見れるのだな!」


 ダメだ。コイツと話してると疲れる。


「キターーーー!」


 なんとそのJk集団は俺らの希望通り、上を跨いで、パンツを見せて行ってくれた。


「なんと、なんと素晴らしいんだ! これで我はまた明日から頑張れる!」

「何を頑張るんだよ。働いてもいないし、学校も行ってないのに」

「すっしー、それ行っちゃアカンやつ……」

「あっ、すま○こ……」


 たーちゃん、地味にこの事と童貞のこときにしてるからな。失敗失敗。


「さあて、パンツも見れたことだし帰るか! すっしー!」

「帰らせると思うか? 寿司屋、白田」

「「え?」」


 声のする方を見てみると、いつもお世話になっているお巡りさんがいました。……まあ、予想通りだけど。


「まったく、お前らは懲りないな」

「いや、俺は拒否ったんですけど、たーちゃんがどうしてもって言うから」

「ちょ、すっしー!? 確かに無理やり連れてきたけど!?」

「やっぱり白田か。おっし、寿司屋お前は帰ってよろしい」

「あざっす!」

「ちょっと待って!?」


 まあ、自業自得だよな。いやー、今日はいい日だ。パンツも見れて、早く帰れる、生きてるって素晴らしい!


「じゃ、白田行くぞ」

「そんな~、すっし~」

「無事なことを祈ってるよ。パイ○-ン」


 さて、俺も帰るとするかな。


「はい、寿司屋、下ネタ言ったからお前も連行」

「はっ!? それはなくね!?」

「あるんだよ。ほら、行くぞ」

「なんてこったパンナコッタ」


 こうして、俺らは仲良く連行されていきました。もういやだ……



※良い子のみんなはマネしないように

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