第30話 ポリと遊んで何が悪い!



 はい。高明です。はい。今日は、結構鬱です。それはなぜかと言うと……


「ほら! 次寿司屋の番だぞ!」

「ふぇ~~」


 本山高明。現在、ポリと遊んでます。




 なぜ俺がポリと遊ぶようになったのか。それは数時間前のことだった。


「次はなんのアニメ見ようかな」


 俺はいつもどおり、自分の部屋でアニメを見ていて、それが1話見終わって次のアニメを決めようとしているとこだった。


 テレレレレ♪


「ん? 誰だ?」


 急にケータイが鳴りだし、ディスプレイを見ると知らない番号だったが、とりあえず出てみることにした。


「もしもし?」

「おっ! 寿司屋か! 俺の事覚えてるか?」

「……誰っす?」

「青山だよ! ○○交番の!」


 その電話は、俺やたーちゃん、瑠がよくお世話になっている交番のポリ。青山さんからの電話だった。……俺、なんかしたかや?


「で、急にどうしたんすか? 俺、最近なにもやってないっすよ?」

「いや、今日はプライベートの方で用事があるんだよ」

「はー?」


 ポ、ポリがプライベートで俺に用事? どういう事?


「どーゆーことっすか?」

「いや、お前今日暇だろ?」

「いや、アニメ見るっていう仕事があります」

「白田の言うとおりの反応だな……」

「たーちゃんにも連絡したんすか?」

「ああ。そこでお前のケー番も聞いた」


 あー、なーる。で、だからなんなんだ?


「で、要件はなんすか?」

「ボーリング行こうぜ」

「……は?」


 ボーリング? ポリと?


「それってたーちゃんとかも行くんすか?」

「もち。あっ、田中は来れないってさ。デートだと」


 アイツ、卑怯な。


「ってことで、来れるか?」

「まあ、別にいいんですけど。大丈夫なんすか? 俺らと遊んでも」

「大丈夫に決まってんだろ。こちとらプライベートまで縛られたら堪ったもんじゃねえ」


 正直、俺らと遊ぶより他のポリ仲間と遊んでほしいのだが。


「じゃあ、12時にボーリング場に各自集合な」

「りょーかいっす」


 とまあ、こんな感じにポリと遊ぶことになったのだが、この人結構スポーツにうるさい人だったらしく、ボーリングで一々ツッコんでくるから疲れる。


「何やってんだ白田! ガーターじゃねえか!」

「我はボーリング苦手なのに……」


 この通り、たーちゃんも疲れ切っている。なんせ現在時刻夕方の5時。12時について、もう5時間も投げっぱなしだ。


「青山さん。そろそろボーリングやめません?」

「ん? なんだ寿司屋。疲れたのか?」

「そりゃ5時間もやってれば疲れますよ。俺の息子も疲弊しきってショボショボですよ」

「そんな下ネタはいらん。しゃーない。じゃあ、次はカラオケだな!」


 ウソでしょ……解散じゃないの?


「また我が苦手なのを……」

「たーちゃん。諦めろ」


 マジ、ポリと遊ぶのはこれっきりにしたいな。




「あ~な~た~が~すーきでー♪」

「たーちゃん、これなんて曲かわかる?」

「わからん」


 俺たちは遊ぶ場所を変え、カラオケに来たのはいいのだが、青山さんの歌っている曲がわからん。年代が違うんだよなー。それで無駄にうまいのが腹立つ。


「ふー、次! 白田だぞ!」

「ういーっす」


 たーちゃんとカラオケ行ったことないから、どんな曲歌うか楽しみだな。


「きっとー♪ いつーかー♪」

「アニソンかい!」


 ツッコんじゃったよ。久々にたーちゃんが若干のアニオタだってこと思い出したわ。




 それから、俺たちは青山さんの気が済むまで歌い続けた。俺は何を歌ったか? そんなん決まってるだろ。アニソンだよ。当たり前だろ。


「青山さん。まだ歌うんすか?」

「あ? 当たり前だろ!」


 もうすでに6時間くらいいる気がする。てか、日付変わってんじゃん。


「青山さん。明日仕事じゃないんすか?」

「仕事だったらここまで遊んでねーだろ」

「デスヨネー」


 うん。知ってたよ。これ、まさかのオールフラグじゃね?


「すっしー。覚悟はしとけよ?」

「さらっと俺の思考を読むんじゃねえ」

「いや、声に出てた」

「……マジ?」


 声に出てたとか俺、もう末期じゃね? 死ぬの? 死ぬんだったらもう1回セッ○スしてから死にたい。


「君とずっと! 一緒に! 居たい~♪」


 あんたはなんで、古い恋愛ソングばっか歌ってんだよ。無駄にうまいし、ぶっ殺すぞ。


「寿司屋! なんか失礼なこと考えただろ!」

「いえ、なんにも考えてないっすよ」


 ……なんでポリにまで思考読まれるんだよ。おかしいだろ。




「じゃあ、今日はありがとな! 久々にストレス発散できたわ!」

「「ああ。それはよかったです」」

「んじゃ、また暇なとき誘うわ! お疲れ!」

「「お疲れさまで~す」」


 やっ青山さんと解散できた。時刻早朝7時。……バカなんじゃないの?


「なあ、たーちゃん」

「すっしー。言いたいことはわかる」

「……そっか」


 昨日、今日で確信した。絶対にポリとは遊んではいけないことを。


「……帰ろうぜ。すっしー」

「ああ。そうだな。これで確実に1日無駄にすることが確定だな」

「そりゃそうだろ。こんな時間に帰って、今から寝たら起きるのは夜だ」


 なんてこったパンナコッタ。


「じゃあ、パイ○―ン」

「パイ○ン」


 そうして波乱のポリとの遊びを終えた。はあ、帰ってオ○ニーしてねよ。

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