第31話 進路で悩んで何が悪い!
「じゃあ、進路ガイダンスを始めます」
俺は今、学校の進路ガイダンスに来ている。俺もそろそろ進路を決めないとだからな。
「じゃあ、まずお配りした冊子を開いてください」
俺は、それをテキトーなページで開くと、目に入ってきた学校名と学校説明に目を奪われたのだった。
「これで進路ガイダンスを終了します」
進路ガイダンスが終わると、俺の元へ先生が駆け寄ってきた。
「どう? 良さそうなところは見つかったかい?」
「まあ。気になるところは見つけました」
「ほう! それは良かった! じゃあ、そこに行くのかい?」
「それはまだわかんないっすね」
「そっか。時間もあまりないから早めに決めなよ?」
そう言い、先生は俺から離れて行った。こりゃ、どうすっかな。
「ただいま」
「おかえり。お兄ちゃん」
家に帰ると弟の裕也が帰ってきていた。なんで?
「今日は学校早く終わったのか?」
「うん。なんか、来年の僕たちの修学旅行先の下見で早く終わったんだ」
「……もうそんな季節か」
確かに俺の服装も、気づいてみれば半袖から長袖に変わってるしな。
「お兄ちゃんは学校帰り?」
「そーゆーことだ」
「今日は何してきたの?」
「進路ガイダンス受けてきた」
「進路まだ決めてなかったんだ」
弟よ。そんな残念な奴。みたいな目で見るな。
「でも、今日ので大体選択肢は絞れたよ」
「でも、あんまし時間ないでしょ?」
はい。裕也の言うとおりでございます。マジ、そろそろ決めないとな。
「もうちょい時間あるから、もう少し悩んでみるさ」
「ふーん。まあ、いいけど」
なんでそんなに興味無さげなんですかね。お兄ちゃん結構ピンチなのよ?
「なに? すっしー、しっかり進路決めようとしてんの?」
「なんだ。悪いか?」
「進路決めるとか真面目かよ。それでも同じ女とセッ○スした仲か!」
「俺はお前がセッ○スした女とセッ○スした覚えはない」
「高明が真面目に進路決めようとしてる……」
「瑠もなんでそんな物珍しそうな目で見るんだ……」
今は、いつものスーパーでいつものメンツと一緒にいる。んで、コイツらに俺の進路のことを相談しようとしたんだが、失敗だった。
「すっしー、もしかしたら県外行くかもしんないってことか?」
「まあ、可能性はある」
ここで、俺が目を奪われた学校の説明をしよう。
俺が目を奪われた学校はここから遠い県外にある。そして、そこの専攻にライトノベル専攻があったのだ。この前、先生に言われた興味があることを学びに行く。そして俺が興味があるもの。それはライトノベル。ピンポイントの学校があったのだ。
「高明、県外行ったらボクたちとバカできなくなっちゃうよ?」
くっ、かわいい。それは確かにキツイ。コイツらとバカやるのも案外楽しいからなー。
「まあ、まだ行くかどうかなんてわかんないから大丈夫だよ」
実際そうだ。まだ、今日やっと視野に入れたばっかだ。もう少し考えてみないとわからん。
「すっしーが県外行くことになったら、我たちは……」
たーちゃん……そこまで俺のことを……
「我たちは……どこの家でたまればいいんだよッ!!」
「ぶっ殺す。俺の感動を返せ」
「ちょっ! すま○こ! だから蹴らないで!」
コイツめ。いつか泣かしてやる。
「まあ、こんなしみったれた話なんかしてないで楽しいことしようぜ」
「確かに。すっしーの言うとおりだな」
「でも、なんかやることあるの?」
「そんなもん考えてるわけないだろ」
「まあ、そうだよね……」
当たり前だろ。楽しいことは自分から探すものなのだよ。瑠くん。
「で、なにやるの?」
「んー、とりあえず駅前にめいぼうしに行く?」
「いいな! さすがすっしー!」
「なにも良くないよ! なんでいつもそうなるのさ!」
だって、それしかやること無いし? 意外とめいぼうも楽しいこともあるし?
「はあ、今日はボク帰るよ。明日派遣の仕事あるし」
「てことは俺もあるじゃん。なら俺も帰るわ」
「ハアッ!? おかしくね? お前ら、まだスーパーも閉店してないのに帰るとか早漏すぎじゃね?」
「俺は早漏だぞ?」
「ボクもどっちかっていうと早漏だよ?」
「ウソでしょ。我だけかよ遅漏……」
遅漏ってキツイんだろうな。まあ、早漏も結構キツイけど。だって、女と交わってるとき、すぐにイッちゃうんだよ? 恥ずかしすぎるよな。おっと話が逸れた。
「まあ、そんなことなんで俺は帰るわー。パイ○―ン」
「ボクも。パイ○ン」
「ちょっ! お前らー!」
そうして俺らは解散した。はあ、最近考えること多すぎだな。てか、最近バカみたいなことしてなくね? ヤバい。そろそろバカしたいわ。
「明日の仕事場で思いっきり下ネタ言ってやろうかな」
そして、俺は明日の仕事場で思いっきり下ネタ叫んで、仕事をクビになったのはまた別の話。何やってんの俺。バカなの? ゴミなの? くたばるの? まあ、元からやめるつもりだったからいいけど。
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