看病
(暇だなぁ…。もう、学校、終わった頃かな)
一人の少女がベッドで横になってそんなことを考えていた。今日は平日で、学校は休みではない。しかし、彼女は風邪をひいて、一日寝ていた。
(ずっと寝てたし、もう寝れないよ。体調も回復してきたっぽいけど…)
と、ぼぉっとしていると、部屋の扉が開いた。
「
そう言って入ってきたのは制服を着た少女。学校帰りに心配でお見舞いに来た綾の友人だった。
「あ、
「うん、終わったよ。もしかして、ずっと寝てたの?まぁ、病人だから仕方ないか。大丈夫?」
「うん、もう、大分楽になったよ。明日には学校、行けるかな」
綾は身体を起こし、強がりでなく、本心で言った。凛はその様子を見て安心したように微笑んだ。
「安心した。でも、ずっと寝てたんなら、体、汗でベトベトになってない?拭いてあげようか?」
「え?い、いいよ。恥ずかしいし」
綾は布団を胸元まで上げ、身体を隠すようにする。しかし、凛はそんな彼女に構いもせず、布団を取り上げると、無理矢理に脱がし始めた。
「ちょ、本当、大丈夫だから。変なとこ、触んないでよ…」
「ダメ。病人なんだから、大人しくしなさい」
抵抗はしているが、それは本当に嫌だからしているのではない。恥ずかしさから、ついそうしているのが凛にも分かっていた。
だから、時折ふざけるように関係ない場所を触ったりしていた。
「ねぇ、凛ちゃん。そんなことしてると風邪、移っちゃうよ?」
「いいよ、綾になら移されても。もしそうなったら、今度は綾が看病してね?」
「うん」
「あ、タオル、どこ?」
「タンスの二段目」
パジャマを脱がされ、上半身裸にされた綾は布団で身体を隠しながら答えた。その身体には汗をかいていた。
タオルをタンスから出して持ってきた凛はそんな綾を見ると、布団を取り上げた。
「やっぱり、綾の肌ってキレイだよね。羨ましい。それに、胸も大きいし」
凛は自分の貧相な胸と見比べる。その違いに凹みそうになっていた。
「わたしは、凜ちゃんの方が羨ましいよ。だって、男子からイヤらしい目で見られるんだよ?それに、肩だって凝るし。なんで、こんなに大きくなっちゃったんだろう…?」
「うわ、贅沢な悩み。だったら、これ、わたしに分けなさいよ」
凛は綾の胸を揉もうと手を伸ばした。しかし、触れる直前、綾が手で隠してしまったため、手を握る形になってしまった。
そのままの体勢で二人は見つめ合う。
熱がまだあるのか、それとも恥ずかしさが込み上げてきたのか、また別の理由があるのか、綾の顔は真っ赤になっていた。
凛もまた、次第に赤くなっていった。
「凛ちゃん、わたし、身体、熱くなってきたかも」
「大丈夫?」
「計って」
そう言うと、瞳を閉じ、唇を差し出してくる。凛はそっと、それに唇を重ねた。
一度、二度、三度…。
二人は抱き合いながら、何度も何度も唇を重ねた。
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