ゲームとキス
画面に表示される通りに、タイミングよくボタンを押す、押す、押す。まだ始めて数分。なのに、わたしの心臓は流れる音楽よりも早く鼓動してるように感じられた。
曲が終わりに近付く。手に汗をかいてきた。
終了の直前、わたしは手を滑らせて、ゲーム機を落としてしまった。はっきりとは見えていなかったけど、最後を押せずに落としてしまった気がする。
恐る恐る画面を見ると、PERFECTの文字が。
「やった!」
「おめでとう」
わたしは思わず声を上げ、隣でずっと見てた愛ちゃんは祝福してくれた。
「それじゃ、約束のキス」
そう、この曲でPERFECTを出したらキスしてくれる、その約束でやっていた。そして、見事に出したわたしは愛ちゃんの唇を!
横を向いて、愛ちゃんの唇を唇で受け止めたわたしは胸の前にある愛ちゃんの手を握った。
携帯ゲーム機で、画面も小さく、わたしもいつも通りにやりたい、そう言ったら、愛ちゃんが後ろから抱きつくような体勢でやることになった。
それだけでも幸せなのに、こんな、キスだなんて!もう、ずっとこうしてたいよ!
でも、自然と二人の唇が離れていった。二人の唇の間に透明な、光る橋ができていた。
それを見て、わたしと愛ちゃんはたぶん、同時に恥ずかしくなって、身体を離した。
それでも、愛ちゃんの唇、柔らかかったなぁ、って見ていたら、愛ちゃんの方から近づいてきてまたキスしてくれた。今度は正面から抱き合って。
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