永遠に幸せになる方法、見つけました。
「ねぇ、幸せって何だろうね?」
「え?分かんないですよ。でも、一つだけ確実なのは、今私は幸せだってこと、です」
「何で?」
「だって、こうして一緒にいられるんですから。って、言わせないでくださいよ!」
「ごめん。でも、わたしも幸せだよ」
「あの、どうして、って聞いてもいいですか?」
「うん、わたしもこうして一緒にいられるから、だよ」
「先輩、ありがとう。あ、でも、聞きたかったのは、そうじゃなくて、その、どうしてこんなこと聞いたんですか、ってことで……」
「あぁ、ほら、わたし、今年卒業するし、そうしたら、もう今みたいに会える時間少なくなるかなぁって……」
「……先輩って、たしか、東京の大学受けるんですよね?」
「うん」
「だったら、一年、待っててください!私、先輩と同じとこ、受験しますから!今、決めました!」
「嬉しいけど、一年も待てないかも……。寂しいなぁ……。ずっと、一緒にいられればよかったのに……。やっぱり、こっちの大学にしようかな……」
「でも、先輩のやりたいことって、こっちの大学じゃどこもないんじゃ……」
「うん。でも、離れ離れになるくらいなら、それでもいいかな、って」
「ダメです!私のために夢を諦めないでください!応援、してるんですから……」
「じゃぁ、離れ離れになってもいいの?」
「それは、イヤですけど……」
「夫婦みたいに、永遠に一緒にいられたらよかったのにね……」
「あ!」
「……?」
「永遠に幸せになる方法、見つけました」
「え?」
「だから、永遠に幸せになる方法、見つけました。先輩、東京に行くんですよね?」
「まだ受験前だし、受かるかどうかわからないけど、そのつもり」
「だったら、えと、渋谷区?でしたっけ?その、パートナーシップ制度?その、同姓婚みたいな条例ありましたよね?」
「え?もしかして、わたしと結婚したい、ってこと?」
「はい!わたしももう17歳ですよ?結婚できますよ?その条例がどういうのかはよく知りませんけど、これなら、ずっと、永遠に一緒にいられるはずです!」
「そうだね。じゃぁ、これからもずっと、一緒だね」
「はい!」
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