おやすみ

 一人の少女が静かに寝息をたて、幸せそうに寝ていた。

 部屋の扉がそっと音を立てないよう、寝ている少女を起こさないよう、静かに開けられた。少女の妹がゆっくりと、足音だけでなく、気配も消すかのように姉のベッドへと近付いていった。

 妹はベッドの横に座り、姉の寝顔を見る。その表情は、姉と同様、幸せそうだった。

 そっと布団をめくり、妹は姉のベッドに忍び込んだ。姉と向かい合う形で横になり、「おやすみ」と、口だけ動かし自分も眠りに入った。


 翌朝、妹が目を覚ますと、姉はもう起きていた。二人は恥ずかしそうにしながらも、微笑んだ。

「おはよう」

「うん、おはよう」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る