和泉瑠璃

主人公を取り巻く登場人物の数が多く、協力したり、敵対したりと関係も様々だと、その登場のタイミングや、キャラクターの描写などが難しいものです。 この作品は、それを非常にテンポよく行い…続きを読む

展開の運びの見事さに、するすると読むことができました。 ユニセックスな見た目の先輩に声をかけられる冒頭、持ちかけられる復讐の話、その実行、そして種明かし。 一度展開した物語が、最…続きを読む

失われた自分の身体の水分を、10年かけてかき集めて、ようやく地上に帰れるという設定が、ユニークでした。 10年という経過を、子供ではない、という一言にまとめてしまわないで、ただただ…続きを読む

芸術とポルノの境はとても曖昧で、画家の絵筆による神々しいヴィーナスの裸体が、実はパトロンによる好色の依頼、というとはままあるものです。 小説でも、世俗的なエロと美の線引きは難しいも…続きを読む

此岸と彼岸を結びながら、人の最期に触れて、その生命を運び続ける渡し守のアオイ。 彼女はたぶん、一目見たときから心惹かれて、彼に魔法を使い、時を遡らせたのでしょうね。 それが、自らを…続きを読む

ドルオタを気持ち悪いと言い切ってしまうのは簡単ですよね。 作中の主人公は、ドルオタという存在がどう見られるのか理解した上で、そのど真ん中には敢えていかないタイプですが、その一歩を躊…続きを読む

甘酸っぱい五分間ですね。初恋のドキドキがもう遠くなってしまった私にとっては、読むのも一苦労なくらいなほどの初々しさでした。かなりリアリティがあるのではないでしょうか。 惜しいとい…続きを読む

基本的な文章表現に難ありです。漢字や言葉遣いの間違いが散見されたことと、文頭は一字下げにするのが正式です。 それからなにより、「？」に関して言えば、前後にスペースは必要ありません。…続きを読む

ブルーノートとは、有名なジャズクラブのことですね。 ジャズを描く小説にぴったりの題名だと思います。 私は生まれも育ちも東京ですが、関西弁を話す少女たちにすっと気持ちが入り込んんで…続きを読む

ライトノベル系の小説はまったく読まない私ですが、この作品は楽しく読むことができました。それは、私も料理好きだからです。 戦国武将✖タイムスリップ✖料理✖日常系って新しいのではない…続きを読む

史実の産業革命時代とファンタジー要素が入り混じった物語です。 主人公は、森棲種（イルヴ）のサイ。 しかもこの世界は、一つの宗教が支配しようとしており、彼女は抹殺の対象。 果たして、…続きを読む

一度、念願の魔王退治に成功した僧侶レオ。 しかし、引き換えに自分の命を落とす。 死に際に浮かんだのは、「エディが孤独になってしまう」という、幼馴染でありパートナーである、勇者エディ…続きを読む

圧倒的濃厚な世界観。
これほどまでに作り上げる筆者には圧巻です。
めまぐるしいダークファンタジーがお好きな方は、ぜひご一読を！

世界を救う勇者が、ここではまさかの悪役。 そして、ヒロインは魔族の姫。そして窮地に陥った彼女の境遇に心寄せる、一人の心優しき少年が紡ぐ物語。 魔物である、異形である。でも、喜怒哀楽…続きを読む

好きなんですよ！ 未来から自分の子供がやってくるパターン！ なぜなら、それは私がセーラームーンの大ファンだから！ 高校生の主人公の前に、同じ高校生の娘がやってくるだけでも胸アツなの…続きを読む

タイタン道中膝栗毛、インパクトがあって面白い小題名です。
物語がテンポよく進みます。

一冊の創作ハウツー本から、物語を紡ぎ出すことになった少年少女の群像劇です。主人公とヒロインの意気投合から始まる……かと思いきや、まずハウツー本への評価からして正反対。 性格も合うと…続きを読む

転生ものにありがちな、ご都合展開ではないところが、この物語をすでに特別なものとしています。 また、主人公が不遇にありながら、またけっしてメンタル面、フィジカル面でチートでない、本当…続きを読む

童心へとかえしてくれる物語でした。
童話調の文章ですが、その向こう側にもっとも難しい人生のテーゼがあります。
雪のように無垢な心を持ち続けること。
短編に詰め込むとは、お見事です。

これから、この物語の森へ入る皆さん、どうぞお気をつけて。 この物語は、上が下で、下が上のなんとも奇妙な世界。 あなたのリアルが揺さぶられます。 「アリス」を、他者の一少女と笑ってい…続きを読む

絶賛を禁じ得ない。 史実とファンタジー要素が、絶妙な配合でミックスされている。 そのファンタジーを担う、甲賀忍者三人の人間関係が、非常にリアルで、文面から浮き上がって肉迫してくるよ…続きを読む

壮絶ないじめを受けている主人公のもとに、飄々とした性格の転校生がやってきて、境遇が少しずつ変わっていく物語がいます。 いま、隣に誰かがいてくれること。 それがどれほど大きいことかに…続きを読む

固有名詞とキャラクターたちの口調がとても独特です。 主人公、ローズは幸せな結婚をするはずが、悪辣な罠によって没落させられてしまいます。 しかし、そこでへたれるローズでないのが、令…続きを読む

とてつもなく難しい「日韓関係」を中心に据え、秋葉原を舞台にした架空の過酷な事件を作り上げ、「どうやったら仲良くできるか？」を問う作品です。 まず、この挑戦自体に心からの拍手と敬意を…続きを読む

ファンタジーの上手下手を左右するのは、その世界観の構築と、それを読者にいかに伝えていくか、です。 この小説は、そのどちらも兼ね備えています。 これほど優れたファンタジー小説を読める…続きを読む

SFたるSFです。 電脳世界「MEL（メル）」とリアルを行ったり来たりするSF世界観。 SFは、作者が構築した世界観をいかに読者に伝えるか？　というのが最初の関門となりますが、この…続きを読む

可哀想！ たった2000字程度の物語の間に、何度心の中でつぶやいたことでしょう！ これ、ハルカ側に重点を置いて読むと、腸が煮えくり返る話なのですが、レンくん側に寄り添って読むと、も…続きを読む

主人公の雄馬くんは、両親の諍いとそれを幼い妹に見せたくない、という家庭内の精神的圧迫感と、転勤族の父親のために各地を転々としたところから、「自分」というものが非常に不安定です。 一…続きを読む

アーマードバトル。園児。 この物騒な言葉と、愛らしい言葉がまさか同時に出てくるとは！ 発想の勝利。 アーマードバトルに燃える幼稚園児たちは、それぞれの鎧と武器（※素材は段ボール）を…続きを読む

一言でいえば、主人公がお馬鹿（誉め言葉）。 冒頭から笑わせてもらいました(笑)。ぜひ、読んでください。 物語の主軸は復讐劇なのですが、なにぶん主人公がお馬鹿（誉め言葉）なので、もち…続きを読む

「その方がおもしろいじゃない」 このセオリーだけで、人生最後のモラトリアムを思いっきり満喫していく風岡香子。土橋桂介は、そんな彼女に「騒がしい日常」に引きずり込まれてしまう。 事件…続きを読む

お、面白い……！ 少しでも将棋をかじったことのある人なら、名人VS AIの対決や、電脳戦を知っているだろう。 棋士はAIに完敗する時代は到来するのか？ これが現在もっぱら注目されて…続きを読む

妖怪や心霊の類をなんら知識のない人が書くと、できそこないのファンタジーしか出来上がりません。 しかし、この作品は圧倒的な知識に裏付けされた上で世界が作られています。 物語の展開も、…続きを読む