PHANTOM HEAVEN 電脳空間捜査官・兎羽野 忍の挨拶

作者 七緒亜美

150

54人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

Twitterタグ反応をくださりありがとうございました。

 冒頭、少々アウトローな主人公とギーグ丸出しな相棒、呼ばれる彼の二人の会話から始まりますが、読んでて思ったのは「小難しい単語を一気に出さない」ということでしょうか。
 SF作品を書く際、どうしても世界観の説明などで大量の設定を記載してしまうような小説は多々ありますが(無論上手な人はそれでも読ませる文章を書きます)、この作品では軽い会話の中や、主人公である兎羽野の一人称から語られる情報はかみ砕いて、あるいは今必須ではないものはさらりと、なんとなく予想が付く程度の文章で流される。
 非常に読みやすく、また主人公の小気味がよい台詞や所作は拒否感を感じさせません。
 またサブキャラクターたちの個性も立っており、憎めないところも多くかなりお勧めできる一作です。

★★★ Excellent!!!

ひとこと紹介に書いた通りですが、SF小説の難しいところはまず設定と、それを表現する文章力だと(私は勝手に)思っています。
作りこまれた世界観を、的確に、さらには読者を飽きさせずに伝えるというのは なかなかできることではないですが、お見事ですね。序盤の引き込み方もそうですが、テンポの良い会話、そして何より冗長になりやすい戦闘シーンもスピード感を保って描かれており、目が離せませんでした。
楽しみに更新を待ちたいと思います。

★★★ Excellent!!!

とにかく設定、世界観が作り込まれていて、それを自然に読み手がイメージできる表現力の高さ。

久々に震えました。

これは凄い。
自信をもって他者にオススメできる作品です。

ネタバレになるので内容については触れませんが、SFというジャンルをあまり読んでいない人にも是非読んでほしいです。

現実世界で生きると言うことの辛さ、苦しみに翻弄される登場人物達の心理描写もさることながらアクションシーンのスピード感、カッコよさ、どれも素晴らしいの一言。

褒め過ぎじゃないかと思うなら読んでみるべきです。
きっと、こりゃすげぇわ。ってなりますから(笑)

★★★ Excellent!!!

電脳世界であるMEL空間で起こる様々な事件を巡るSF小説。
MELそのものはもちろん、「MELが存在する現実」の描写も丁寧かつ自然で、するすると読んでいける。

上記の世界観だけでなく、構成力も見事です。
目まぐるしく展開が変わるのに、読者を疲れさせずに読ませ続ける文章力があります。
レビュータイトルの通り、プロかと疑うほどの実力です。

しっかりとしたSFを読みたい方、キャラ同士のオシャレなやり取りが好きな方は読まないと損。

★★★ Excellent!!!

渋くてテンポの良い会話、ロマンと哀愁、そして目に浮かぶようなアクション。とにかく爽快です。

SF的な世界観を表現する言葉が次々と繰り出されますが、その量もまた心地良い。

会話や仕草に日常的な感覚があり、作品に身近な渋さをたっぷり加えてくれてきます。

読み進めるうちに、どんどん生き生きしてくるように感じます。


★★★ Excellent!!!

いや~、面白かったです。

地の文も多いのに読みやすい!
落ち着いた筆致で、完全に世界が完成されてるって感じ。
浮ついた部分が一切ないんですよね。
リアルっていうか……。
その世界が実際にありそう! って思ってしまいました。

主人公は超クール。
相棒のキャラも良い!
2人の関係に萌える!

描写が自然で、頭のなかで自動的に映像が再生されるんですよ。
アニメでも面白そうだし、映画にしても良さそうだし、連続ドラマでも良さそうな作品ですよね。

全体として非常にレベルが高く、書籍化していないのが不思議なくらい。
今回のコンテスト、受賞候補だと思う(笑)。

★★★ Excellent!!!

SFたるSFです。
電脳世界「MEL(メル)」とリアルを行ったり来たりするSF世界観。
SFは、作者が構築した世界観をいかに読者に伝えるか? というのが最初の関門となりますが、この作品は軽々とそれを飛び越えて、私たち読者を「MEL」へとダイブさせてくれます。
物語も、斜に構えた忍と、一筋縄ではいかないリードというコンビが、電脳世界で消えた少年を追う、という胸アツ展開。
一度読みだしたら、もう止まりません!

★★★ Excellent!!!

小説の概要を読むと、複雑そうな設定と電脳犯罪というSF要素が合わさって、一見読むのに労力が要りそうに見えますが、実際そんなことは全くありません。
場面の描写を中心に物語が進行していくので、まるで海外ドラマを見ているような気分で楽しめます。
よくある、つまらない説明の地の文が続いて……なんてことがないのです。
物語の進行・見せ方に凝っていて、何をいつ読者に説明するのかが実に完璧で、読者は自然と物語の深い世界観に入っていける事でしょう。
ps.個人的に主人公の男は西島秀俊氏のイメージです。クールな世界観と妻を殺された過去を持つ所が、どことなくドラマのモズの世界観と似ていて、すごく好きです。あくまで余談ですが。

★★★ Excellent!!!

世界観が素晴らしくカッコよく、お洒落な作品です。

電脳世界を舞台にしたSF作品は、説明が難しく、地の分を多めにしてしまうと読み手が疲れてしまうことも多いとは思いますが、この作品は丁寧な世界観と描写に、気づいたらのめり込んでいます。

スタイリッシュなアクションもとても魅力的ですよ!

是非ご一読くださいませ!

★★★ Excellent!!!

無駄のないソリッドな文体
洒脱な語り口
洗練された会話

もちろん連作として個々の面白さがありますが、
次話が楽しみになる仕掛けに満ちていて、
カクヨムのような媒体との相性が抜群に感じます。

連載小説の真髄を感じる作品です。

「ページをめくる手が止まらなかった」、「夢中で読んだ」といった言葉で表現されるような没入感があります。まさにダイヴ。

兎羽野の粗暴な振る舞いとは裏腹に、滲み出るインテリジェンスや優しさのアンバランスさが無機質な作品世界においてとても人間っぽく、魅力的です。

★★ Very Good!!

・良かった点:文章に過不足がない。
物語に破綻が無い。
現代の地続きのSFであるので、ガジェットや要素の理解に
余りマニアックな知識が必要ではない。

・期待している点・提案
同じガジェットを用いる場合、名詞ではなく代名詞を用いる事で
繰り返しを短縮し、追加の表現、描写を盛り込めるかもしれない、
と読んでいて感じました。

★★★ Excellent!!!

奥行きのある電脳世界の中で構築される、サイバーパンクの世界にどんどん引き込まれて行く。ミステリーとしてもすごく魅力的で、テンポよく展開されるバトルと謎解き、徐々に見え隠れする『青い鳥』の存在も不気味。電脳世界という設定をとことん活かしきっている、完成度の高い作品でした。
これから先の展開が見逃せない、一級品です。
個人的には、電脳アイドルの話がすごく好きでした。近い将来本格的に出てきそうで、リアルだなぁと感じました。