獣の詩。それと無垢と経験についての考察

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　ある時神は、光を昼と名付け、闇を夜と名付けた。

　それから数千年と数日後。
　ヒトは、神へと近づく力を手に入れていた。

　世界は、変わった。

　老婆の知恵は、体系化された一つの学問に。
　古代の武具は、洗練された兵器に。
　幸せを祈る声は、ヒトを殺しうる魔術に。
　神を称える詩は、世界を動かす蒸気へと。

　世界が変わっても、どれだけ力を手に入れようとも。
　ヒトだけは、その有り様を変えなかった。