異世界転生モノとしては今までに出会ったことのない物語です。
シリアス、という点でもそうなのでしょうが、それにしても重い。そして深い。
異世界転生もののお約束として、転生した主人公には何がしかのアドバンテージがあるのですが、本作の主人公であるユーキ(=エディ)に与えられたのは人よりも(あくまでも若干)強靭な身体と、堅固な精神力。
しかもそれは奴隷として虐げられし者ゆえに授かったものだった……うーん重い。しかしシリアス好きな読者としてはこの重さにこそ惹かれるのです。いくらか見飽きた感のあるチート感ではなく、生きた者の生々しさを感じる設定、描写の数々に唸ります。
転生した世界で生き抜き、願いを遂げることを決めた経緯、その重さがレビュータイトルとなっていますが、ぜひ多くの読者様に読んでいただき、その目で確認していただきたいと思います。今後の展開に期待しております。
現代でイジメられいた底辺の主人公、異世界に来たら更に奴隷という底辺でした。
そんな絶望から始まる異世界物語。その世界での奴隷とは、人権があるどころかモノ扱い。そんな中人らしい思いやりと、現世でイジメに耐え抜いた努力と根性を持って成り上がる様は、読んでいて先がどうなるんだろう?とワクワクハラハラします。
ハイファンタジーにありがちな、何の能力もない高校生が異世界に来てチート能力を授かる物語とは一風変わった成り上がりストーリー。現世での名残りも様々な伏線となって先が気になります。ヒロイン達も個性的で魅力的。今後も読み続けたくなる良作です。