概要
一球入魂。この一投に、全てを込めて。
転勤族の父を親に持つ菅野雄馬は、親の都合で違う学校に相次いで転校させられたことでコンプレックスを抱え、学校でも少年野球でも碌に友達ができず孤立していた。
ある時雄馬は不仲な両親のいる空間に耐え切れず、野球の練習を口実に家から飛び出した。小学校でひとり寂しく練習に没頭している雄馬だったが……。
2作目に挑戦です。需要があるかわかりませんが野球小説です。では、どうぞ。
ある時雄馬は不仲な両親のいる空間に耐え切れず、野球の練習を口実に家から飛び出した。小学校でひとり寂しく練習に没頭している雄馬だったが……。
2作目に挑戦です。需要があるかわかりませんが野球小説です。では、どうぞ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一人の少年が「自分の居場所」を見つける物語
主人公の雄馬くんは、両親の諍いとそれを幼い妹に見せたくない、という家庭内の精神的圧迫感と、転勤族の父親のために各地を転々としたところから、「自分」というものが非常に不安定です。
一少年には苦しすぎる現実をたった一つ救ってくれるのが、「野球」。
それですらも、物語冒頭は控えのピッチャーで自分を「みそっかす」だと感じていた雄馬くんの前に、一人のおじさんが現れます。
自分を導く、野球の指導者として。
たった一人の人物、そしてたったの一球によって、それまでよりどころなくさまよっていた孤独な少年の魂が、「居場所」を見つける素敵な物語です。 - ★★★ Excellent!!!ただ単純に野球がやりたくなる話
読む前は、巨人の星っぽいスポ根かな?と思っていました。
読み進めていくうちに、これはスポ根ではなく、人情味あふれる文学なんだなという認識に変わりました。
この作者は、言葉の使い方がうまいなと思いました。特に最後の富山弁をしゃべるシーン。僕も富山に住んでいたことがあるのですが、感動する場面なのにおかしみが入って、泣き笑いしてました。
鬱屈した小学生が、野球を通じて成長する。
おっさんの立ち位置は、主人公が野球を逃げ場から純粋な面白さを見出すための場所にするための重要な鍵であったと。
最後、親が息子を一心不乱に応援しているのを見て、主人公だけでなく、周りの環境も変えていったのだと胸が熱くな…続きを読む