一人の少年が「自分の居場所」を見つける物語

主人公の雄馬くんは、両親の諍いとそれを幼い妹に見せたくない、という家庭内の精神的圧迫感と、転勤族の父親のために各地を転々としたところから、「自分」というものが非常に不安定です。
一少年には苦しすぎる現実をたった一つ救ってくれるのが、「野球」。
それですらも、物語冒頭は控えのピッチャーで自分を「みそっかす」だと感じていた雄馬くんの前に、一人のおじさんが現れます。
自分を導く、野球の指導者として。
たった一人の人物、そしてたったの一球によって、それまでよりどころなくさまよっていた孤独な少年の魂が、「居場所」を見つける素敵な物語です。

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