少女のひそやかな欲望

芸術とポルノの境はとても曖昧で、画家の絵筆による神々しいヴィーナスの裸体が、実はパトロンによる好色の依頼、というとはままあるものです。
小説でも、世俗的なエロと美の線引きは難しいものです。
ともすれば、官能的な乙女の無邪気な欲望も、一言間違えれば、単なるエロに陥ってしまう。
そんな危うさを抱えながら、本作はきちんと芸術している作品です。
作者のバランス感覚の巧みさが味わえます。

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