「腹が減っては戦はできぬ」って言葉はきっと倫ちゃん発祥

ライトノベル系の小説はまったく読まない私ですが、この作品は楽しく読むことができました。それは、私も料理好きだからです。

戦国武将✖タイムスリップ✖料理✖日常系って新しいのではないでしょうか。このうち二つの組み合わせって、ありふれてはいるのですが。
それが、「なんだか知らないけど戦国武将(おもに信長)が来る、手料理を振る舞ってのんびり過ごす」というのは、見たことがない。

21世紀にもなると、全く新しい発想って出てこないんですよね。その中で新規性の勝負をするには、既存の王道からいかに派生させるか、だと思います。その観点でいえば、本作は非常に新しい。

おもしろかったからこその「しいて言えば」をもう一つくわえるなら、もっと日常系らしさを強く出してもいいかと。戦国武将が倒れてようが、いきなり出てこようが驚かない、動じない、疑問を持たない。あくまで一人の食客として扱う。冒頭の「慣れって恐ろしい」の描写さえ失くして、それを読者に感じさせてしまうのはどうでしょうか。
この少女、いきなり信長が出てきても動じない、慣れって恐ろしいな!? って具合に。
それでいて、中盤以降にシリアス回を設けて、タイムスリップの謎などに触れると、かなり物語全体にメリハリが出てくると思います。

さて、お腹が空いたところで私も晩御飯を作らなくては。
次のメニューが楽しみです。

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