虚像の国のアリス

作者 菱河一色

65

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★★★ Excellent!!!

不思議の国のアリス症候群という実在する病気からうまく歪な世界を作り上げていてゾッとしました。最初は不可思議な異常に恐怖しましたが、徐々に現実的な問題になり、しかし理由が分かったので安堵したかと思いきや……ラストの展開。
お話の流れが巧みで、まさに『アリス』をうまく利用した書き方には脱帽です。サブタイトルを含み、ぞわぞわしました。
世界が呑み込まれていく様は、是非に御自分の目で確認してください。
そして読み終わった後、自分が『アリス』になっていないかどうか、確認したほうが良いかもしれませんね。

★★★ Excellent!!!

不思議の国のアリスの中でルイス・キャロルが描いたのは意味論の世界です。
小説の中では、物理法則は通用せず、ただ言葉だけが力を持ちます。
アリスが大きくなったと書けば大きく、小さくなったと書けば小さく、夢の国ではすべてが自由自在なのです。
そうした不思議の国を、ホラーへとうまく仕上げている短編です。
崩壊していく現実が素敵でした。

★★★ Excellent!!!

そういえば小学生くらいの時、不思議の国のアリス症候群みたいになってた時期が自分にもあった。当時はそんな名前がついた現象?だなんて知らなかったんだけども。ちなみに私の場合は自室で寝ているときなどに、自分の体が急に部屋にぎゅうぎゅうに詰め込まれているように感じるくらい大きくなった、あるいは部屋が小さくなったように感じるという症状だったんですが、まあそんなことをうすらぼんやりと考えながら読んでいたら……!

★★ Very Good!!

物語冒頭からエグみのある表現がありましたが、ラストでそれが炸裂した感じです。鳥肌が立って、思わず文字を追うペースが早くなりました。
願わくば、主人公がラストの状況からいかに生き残るか、そして病気の正体が何だったのかを明かした続編が見て見たいです。

パニック物の話が好きならオススメ。逆に昆虫やグロテスクな表現が苦手な方は、ご注意を。