波打ち際に一人の女性が佇んでいる。
腰までの蒼い髪をなびかせるその人は、魂の送り人だ。
行間を読む物語だと思いました。
前半は抽象的で寄せては返す波のように捉えどころが難しく曖昧です。
雰囲気はとても良いのですが、彼女が置かれた状況が不透明で時系列も多少前後しておりやや複雑です。
ですが、後半は話の主軸が彼とのつながりに移りとても明解になります。
切ない展開に胸にこみ上げるものがあり、波の音と混ざり合いその慟哭が聞こえてくるようでした。
全ての答えは明かされないものの、読み手側に託されたような気がして想像が膨らみます。
1ページ目で「?」と思ってもブラウザバックせずに、最後まで読んでみることをおすすめします。