それでも人を愛してしまう哀しさ

此岸と彼岸を結びながら、人の最期に触れて、その生命を運び続ける渡し守のアオイ。
彼女はたぶん、一目見たときから心惹かれて、彼に魔法を使い、時を遡らせたのでしょうね。
それが、自らを苦しめる、最も苦しいものー愛を育むことになると、かすかに予感しながら。
長寿であって人ではない、二重苦を抱えながら、それでも人を愛してしまう哀しさが、美しい言葉で彩られた物語です。

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