「#春」を含む小説

カクヨムコンテスト10【短編】参加作品 読んだらきっと前を向ける。約400文字の小説です。

あの春の夕方、表の庭で猫が鳴いていた。 夕飯の時間に祖父を起こしに行くと、ソファに背中を預け、眠っているように見えた彼の顔には、苦悶の表情が浮かんでいた。 ※犀川よう様自主企画…

春を俟《ま》っています―――― 鶴のような真白の振袖をまとったそのひとは無人駅の端にたたずんで、いつも誰かの訪れを待っていた。誰を待っているんですかと訊ねた僕に、彼女は寒椿のよ…

過去作リメイク。 ３年一緒に暮らした彼女を寝とられた主人公『池平智也』は、友人『吉井』に連れられて合コンに向かう。そこで知り合った『あき』はかなりエッチに積極的。 『あき』の正体…

遠い昔。とある地方で、毎年、桜が散る頃になると発生する、謎の病が蔓延していた。悪くすると死に至る災厄で、村人が大勢亡くなった。 村外れの桜の大木に宿るという、万能の守り神に厄を祓…

　総合病院で働いている外科医　五十嵐春希。 ドラマのようなサスペンスやゴッドハンドでなんでも治せるような医師はいない。 普通の医師たちが日々の診療に日夜努力している。 そん…

第7回カクヨムWeb小説コンテストホラー部門特別賞受賞しました。 改稿･改題の上、 2023年1月25日KADOKAWAメディアワークス文庫様より発売。 2024年3月25日より…

父は世界的ピアニスト、母は世界的ソプラノ歌手。そんな両親を持つ主人公『八塚奏太』。 奏太は父が奏でるピアノとそのピアノに合わせて歌う母が大好きであり、その両親の影響で奏…

カクヨム３周年記念選手権参加作品。 (お題：２番目)

　小学を上がってから、中学に入って。進路を決める。高校に入って、自分を見出す。 　毎年の担任は俺に「そういうとこだぞ」と言って「変われよ。そろそろ」と続けた。 　俺はなんにも…

　宮原 桃は中学2年生。 　ある日の授業中、体が光ったかと思うと突然異世界へ転移した。 　転移先は魔法学校。なんと彼らは召喚術の授業中、誤って異世界の人間を呼び寄せてしまったの…

　私が是れを知った所以は、とある神——ここではその名を口にする事が憚られるため、以降は『あの神』と呼称しますが——これについてフィールドワークで島根県と広島県の県境、つまるところ…

春、出会いと別れの季節。 棄てられた線路、忘れられた駅、 錆びた留置線で朽ちゆく一輌の列車。 「卒業」を控えた或るローカル線へ紡がれる、精霊と少年の哀の唄。 【2021年4月…

タバコを吸い始めたのは、二十歳の春。 あの頃の恋は、タバコの煙と一緒に心を燻らせていた。 今、喫煙所で交わす何気ない会話の中に、新しい火種が潜んでいるなんて、思いもしなかった。…

日常と非日常を介在させた車は夏みたいなカーステレオを穏やかに響かせて走った。

那智風太郎様自主企画、そして、犀川よう様自主企画さいかわ卯月賞への参加希望新作です。 平和な昭和時代の、工学部の大学生。 その美しさが評判の学生と知り合った、僕。 花見で知り合…

春に出会った海を見詰める青年と、作家「華集透子」をめぐる小話

「お帰り」彼は頭を更にくしゃくしゃとかきまわして、にこりと笑った。 実家の隣に住む幼なじみの画家の青年と、彼を支える女性の、ほのぼの。

いろいろ知りたい黒猫と、大人になりたての青年。 立ち寄った町で、故郷の村で、港へ続く街道で、色も形も大きさも違う二人が不思議を見かけ、通り過ぎ、時々ふれる物語。 「ねぇアルル」…

１０歳のおませな女の子の初めてのお便り、書簡体小説です。 一緒に暮らしてたおばあちゃんが入院して、迎えに来てくれた叔父さんとはぎくしゃくしてて、知らない誰かと文通をする はじめ…