概要
桜よ、どうか、このときを。
那智風太郎様自主企画、そして、犀川よう様自主企画さいかわ卯月賞への参加希望新作です。
平和な昭和時代の、工学部の大学生。
その美しさが評判の学生と知り合った、僕。
花見で知り合い、仲を深めていく二人。
葉桜の頃に誘われた、二人だけの花見。
僕はそこで、何をみるのか。
平和な昭和時代の、工学部の大学生。
その美しさが評判の学生と知り合った、僕。
花見で知り合い、仲を深めていく二人。
葉桜の頃に誘われた、二人だけの花見。
僕はそこで、何をみるのか。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!これは絵巻。詞書が湧きたつように、紙の上を埋めていく。
私は文字を、絵として追う癖がある。
それは言葉通り、ビジュアルとして脳が処理しているという意味でもあるし、同時に再生される映像の世界を観ている、ともいえる。
積極的に文字を追わない。
勝手に浮かび上がってくる「文字たち」を拾う。
そんな風にして読むので、たまに抜け落ちてきて、
そんな風にして読むので、たまに違う絵までもが見えたりもする。
目を落としてすぐに、これは絵巻だと私の脳は捉え、そして私は、そのゆるやかな時の流れにするりとひきずりこまれた。
そう、恋をして、周りの風景がふっと時を止めてしまうかのように感じられるあの瞬間の、ヴェールに包まれた、護られた儚い美しさがそこにあり、
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!桜見るきみ、きみ見るぼく。酔えど語れど心、きみから離れがたきや
那智風太郎プレゼンツ『桜猫企画』優秀作品 Best 6
やはり美しきものに異性も同性もないのだ。
桜の下で出会ったきみから、ぼくはいつのまにか視線を外せなくなってしまった。
そして花散らしの季節、きみへと寄せられてしまった僕の心はいったいどこへ舞い落ちれば良いというのだろう。
軽やかな散文によって的確に捉えられたぼくときみとの曖昧な距離感が素晴らしい。
また自身にも消化しきれない想いをぼんやりと不確定に表すことで、ぼくのもどかしさや切なさがしっかりと描き出されていて読む者に共感を与える。
なによりラスト、残りわずかになった桜の花びらを求めて歩く二人がどこか焦ったく、そしてウズウズとするよ…続きを読む