どこか儚くて美しい物語。山や鬼を冠する花も棘のある多弁な花もこのくらい慎ましやかですと雅で奥ゆかしく感じられるのですね。素晴らしい作品だと思います。
読み専であります。
私は文字を、絵として追う癖がある。それは言葉通り、ビジュアルとして脳が処理しているという意味でもあるし、同時に再生される映像の世界を観ている、ともいえる。積極的に文字を追わない。勝手に浮か…続きを読む
僕を誘った君が桜と猫に心を奪われていることに、僕は確かに嫉妬していた。見ているだけでいい、ただそれだけのはずだったのに。いつしか葉桜の季節が過ぎたならば、僕と君の間にも新しい風が吹き始めるのだろうか…続きを読む
物語も、情景も、言葉も、すべてが美しくて少し泣きそうになりました。
咲き誇る桜と一升瓶を携えた白皙の美青年と樹上の猫、多分これだけでとっても良い絵になってしまいます。それを俯瞰的に見ている主人公、昭和な時代の緩くも幸せなキャンパスライフが羨ましい短編作品です。…続きを読む
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