見つめていたい、君が見てくれなくても。

僕を誘った君が桜と猫に心を奪われていることに、僕は確かに嫉妬していた。見ているだけでいい、ただそれだけのはずだったのに。いつしか葉桜の季節が過ぎたならば、僕と君の間にも新しい風が吹き始めるのだろうか。そんな僕の漠然とした期待と予感をあざ笑うかのように、猫はじっと僕を見続けている。
酔いと桜のせいにはできない、かすかなさざ波。春が終わるその前に、今夜はあなたも彼らと酔ってみませんか?

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