「耽読」という言葉がこれほど相応しい小説があるだろうか。
2016年、私がWEBで読んだ初めての長編小説がこれ。
12万文字のデジタル――当時の私にとってはハードルがあまりに高かった。だが手に取ってみれば最後、紙の本ではないことなどすっかり忘れて、気づけば一晩で読了していた。
カクヨムではまだ連載が始まったばかりだが、ぜひ続きを楽しみにしてほしい。
どこまでも物語を堪能できる。
最後まで見届けたその瞬間には、これが実存の神話・伝承の物語だと信じられるはずだ。
荒ぶる神の描写、雛姫のいじらしさとヒロ兄の想い。登場人物の心・背景の書き分けが本当に見事で、すべての人物を愛してしまう。そして泣いた。終わりも大満足。じっくり読ませる。とにかく読ませる。その構成の凄さ・素晴らしい物語に感謝。
ぜひ皆様にもご堪能いただきたい。