概要
過酷な運命に立ち向かう、少女のひと夏の成長物語。
小学4年生の夏、宗教民俗学者の兄、真尋に伴われ、雛姫が訪れたのは瀬戸内に浮かぶ小さな離島だった。
早くに両親を亡くし、兄とふたり、慎ましくも平穏な日々を送っていた雛姫だったが、少女はそこで、はじめて己の出生の秘密を知ることとなる。
島を統べる、ある一族に秘められた血の掟と島に伝わる荒ぶる神の物語――
双子の姉妹を輩出することで首座を保ってきた一族、巫部家の当主は、雛姫の亡き祖母の姉であり、雛姫は『ある資格』を持って生まれてきた娘だという。
巫部家において、有資格者は代々、双子の姉妹が《御座所》と《形代》の役目をそれぞれに担い、島に祀られる神を鎮める存在として民を治めてきた。
長年にわたり守られつづけてきた血の掟。
しかし、ある事情から、雛姫の祖母と母の代でそれが破られる。
雛
早くに両親を亡くし、兄とふたり、慎ましくも平穏な日々を送っていた雛姫だったが、少女はそこで、はじめて己の出生の秘密を知ることとなる。
島を統べる、ある一族に秘められた血の掟と島に伝わる荒ぶる神の物語――
双子の姉妹を輩出することで首座を保ってきた一族、巫部家の当主は、雛姫の亡き祖母の姉であり、雛姫は『ある資格』を持って生まれてきた娘だという。
巫部家において、有資格者は代々、双子の姉妹が《御座所》と《形代》の役目をそれぞれに担い、島に祀られる神を鎮める存在として民を治めてきた。
長年にわたり守られつづけてきた血の掟。
しかし、ある事情から、雛姫の祖母と母の代でそれが破られる。
雛
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!情念を描ききる。
「耽読」という言葉がこれほど相応しい小説があるだろうか。
2016年、私がWEBで読んだ初めての長編小説がこれ。
12万文字のデジタル――当時の私にとってはハードルがあまりに高かった。だが手に取ってみれば最後、紙の本ではないことなどすっかり忘れて、気づけば一晩で読了していた。
カクヨムではまだ連載が始まったばかりだが、ぜひ続きを楽しみにしてほしい。
どこまでも物語を堪能できる。
最後まで見届けたその瞬間には、これが実存の神話・伝承の物語だと信じられるはずだ。
荒ぶる神の描写、雛姫のいじらしさとヒロ兄の想い。登場人物の心・背景の書き分けが本当に見事で、すべての人物を愛してしまう。そし…続きを読む