美食の国、日本。
ミシェランガイドの星の数は世界一を誇り、飲食店は基本的にどんな店でも一定レベルの味が保証されており、またそのサービスはただ食事をして腹を満たすだけにはとどまりません。
つまり、日本で外食を行うというのは、それだけで極めて質の高いサービスを受けられるという、一種の特別な贅沢体験なわけです。
そして、ただ美味しいだけが日本の食の神髄にあらず。
全国展開されるようなチェーン店においても、安さや楽しさという新たな尺度で食事を満足いくものに高めようとしてくれる、鋭意工夫が見られます。
本作では庶民的な外食に不慣れという、ある種の異文化圏にいたお嬢様が、庶民的な外食チェーンでその神髄を楽しむという物語です。
ただ味を楽しむだけにない、日本の外食グルメの楽しみ方を、本書で是非ご体験を。
※まず注意事項……お腹が空きます(笑)。
孤独のグルメというドラマをご存知の方は多いかと思います。
中年の男性が一人で食事をするドラマです。
こちらの「没落お嬢様の週末グルメ」も、没落お嬢様が職場の同僚と週末に食事をする話です。
この二つの物語に共通なのは「それだけじゃない」と言う事です。
それが何かは読んでのお楽しみです。
グルメというのは美食家を表す言葉です。美食とは一言で言い表すと「おいしいもの」というよりも、美しい食、つまり「人の心を豊かにする食事」だと私は思います。食事が与える幸福、それは人により様々かとも思いますが、人間にとってはかけがえのないものです。例えばマズローの5段階的に言えば、
1,空腹が満たされる事。
2,安全・安心な食べ物である事。
3,経済的に問題がなく美味しい事。
4,何度でも食べたい事。
5,自分に幸福を与えてくれる事。
真の美食とはこの様な段階を経るかと思います(笑)。
こちらの「没落お嬢様の週末グルメ」は、間違いなく「読み手の心を豊か」にすると思います。拝読し始めた瞬間から、この物語の魅力は凄まじいです。
お勧め致します。
きっとお腹が空きます(笑)。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)