朽ちぬ花嫁

佐保彩里(旧・伏水瑚和)

夢幻泡影


 『咲き誇った後に散るからこそ、花は、儚くも美しい』


 誰からともなく、古来から語られ継いだ常套句。だが、時に畏怖いふを為され、忌まわしき対象と化した時代があった。

 次に崇めたてまつられ、また無情に散るのも、力弱くも懸命に生きる、咲いて間もない、美しい生命いのちだったのである………


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