カクヨムコン短編賞受賞者インタビュー│『幼馴染シンドロームの処方薬』作者:稀山 美波

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カクヨムWeb小説短編賞2021を見事獲得された3名へのインタビュー企画。
本記事でご紹介するのは、『幼馴染シンドロームの処方薬』の作者である稀山 美波さん。
受賞者が語る創作のルーツや作品を作る上での創意工夫などをヒントに、ぜひ短編賞にチャレンジいただければ幸いです。

▼受賞作:幼馴染シンドロームの処方薬 kakuyomu.jp

――小説執筆はいつごろから、どのようなきっかけではじめられましたか?

稀山:初めて小説らしいものを書いたのは中学生の頃です。当時はライトノベルをよく読んでいて、「自分も何か書いてみたい!」となったことがきっかけです。その際は短編を数本書いた程度で、それから社会人になるまで執筆は一切していませんでした。それから十数年経ち、たまたまネットでカクヨムコン5に関する記事を見かけ、拙い短編を必死の思いで書き上げた当時を思い出しました。懐かしさ半分・不安半分・期待少々……といった心情の中、いくつか短編を応募させていただきました。
 残念ながら受賞とはなりませんでしたが、好評の声を多くいただけたのが非常に嬉しかったのを今でも覚えています。そのことがモチベーションとなり何本も短編を投稿し続けている内に、小説の執筆にどっぷりとハマってしまいました。

――好きな作品と理由を教えてください。

稀山:星新一のショートショートが大好きです。物語の発想もさることながら、起承転結を数ページでまとめ、思わずニヤリとしてしまうオチをつける構成力は本当に素晴らしいです。SF短編を書くことも多いのですが、かなり影響を受けています。

――受賞作は一日で書き上げられたとのことですが、幼馴染たちの勢いある軽妙な掛け合いが素晴らしかったです。受賞作はどのようなところにこだわって執筆されましたか?

稀山:自作「幼馴染シンドロームの処方薬」ですが、良く言えば”王道”、悪く言えば”ありきたり”な幼馴染もののラブコメです。物語の内容と結末はありがちなものですので、他作品との差別化が必要と感じていました。また短編小説ですので、漫画的な面白さだけでなく、小説ならではの面白さも必須だと考えていました。
 そこで、とにかく言葉遊びをふんだんに盛り込んだ会話劇的な面白さにこだわりました。物語を決めてから言葉遊びや駄洒落を考えるのではなく、まず言葉遊びや駄洒落を考えて、それに沿った物語を書いていく……という流れで作品を書き上げたと記憶しています。主人公たちの会話や掛け合いを褒めていただくことが多いので、そういった点が受賞に繋がったのかなと感じています。

――普段から短編を多く投稿されていますが、短編へのこだわりはありますか? また特に短編を執筆される際に意識されていることはありますか?

稀山:短編は少ない文字数の中で物語を完結させなければならないため、起承転結を意識するようにしています。
 特に起承転結の中でも”結”の部分にあたる、物語最後の一文やオチにはかなりこだわっています。短い文章の中でしっかりとしたオチをつけるという点では、短編小説の面白さは漫才や落語の面白さに近いのではないかと考えています。
 そのため、お笑いで言うところの「緊張と緩和」を意識して書くようにもしています。

――今後長編を手掛ける予定はありますか? もしそうであればどういったジャンルを書いてみたいと思われますか?

稀山:今のところ予定はありませんが、ラブコメかミステリーを書いてみたいです。ラブコメであれば本作のように登場人物の掛け合いを意識した作品に、ミステリーであれば様々な登場人物の視点から描く群像劇的な作品にしたいです。

――受賞作の副賞として本作品のコミカライズが行われました(コミカライズ担当:游紗 吹香)。コミカライズの感想はいかがでしょうか?

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稀山:本当に、本当に、本当に面白かったです。物語の流れもオチもすべて知っているはずなのに、読んでいる間ずっと笑いっぱなしでした。会話劇や掛け合いの多さが特徴の作品なので、コミカライズ向きの作品ではないかな……と正直思っていました。そんなことはなかったです、めちゃくちゃ面白かったです。漫画になることでこんなにも魅力が増すのか、ここの会話を漫画にするとこういう表現になってこういう面白さがあるのか……などなど、楽しみと驚きと嬉しさで頭がいっぱいになりました。
 自作品が原作だからという贔屓目ももちろんあると思いますが、これまで読んできた読み切り漫画の中でもトップクラスに面白かったです。

comic-flapper.com

――最後に、カクヨムWeb短編賞2022に挑戦する方に創作する際に心掛けるべきポイントなどを一言お願いいたします。

稀山:自分のような素人がアドバイスとは非常におこがましいのですが……ひとつだけ言えることは、「何が読者にウケるかは自分じゃわからないからとにかく書いて応募しよう!」です。
 前述の通り、本作は物語の構成等は二の次で、趣味である言葉遊びや駄洒落を詰め込んだ作品です。
 加えてカクヨムコンの応募締切ギリギリに急いで書いたこともあり、「受賞を狙った作品」というよりも「趣味全開の自己満足に近い作品」でした。その趣味全開な言葉遊びや登場人物の掛け合いを評価いただけたので、何がウケて何が受賞に繋がるかは自身ではわからないものだなと感じています。
 なので、「応募するか迷ったらとにかく応募してみる」ことが大切だと思います。
 自分ではあまり手ごたえがなくとも、読者や選考の方々には”ピン!”とくる作品かもしれません。
 自分も短編賞2022に応募する予定ですので、一緒にいい作品を作り、一緒にとにかく応募しましょう!

第8回カクヨムWeb小説コンテストおよびカクヨムWeb小説短編賞2022は12月1日から開催!

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短編賞のヒントはこちらでも紹介しています。

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