第3話 放課後
あの後、まるで何事もなかったかのように簡単に逃げれた。多少、他の男共と揉めたが全員返り討ちにしたので特に問題もなく昼休みが終わって今現在放課後である。
「さて、第二ラウンド。西園寺どう出る?」
「あ、隼人くん。今日は友達と一緒に帰る約束してたから、ごめんだけど男友達と帰って。けど私がいない間他の女の子と浮気しちゃダメだぞ」
「あっ、えっ、あっはい」
あらやだ、とてつもなく放課後平和じゃ無いですかヤダー。つうか何が他の女の子と浮気だボケがまずお前と付き合ってないから浮気ですら無いわ。
「あれ?てことは今日お前一人?」
大和が俺の肩を尋常じゃない握力で掴んできやがる。そうだったこのアホ共がいるから平和じゃなかった。北条大和、タッパは小さいがモテる為だけに必死で鍛えた筋力は俺以上。確かベンチプレス120kgで握力は80を軽く超える。運動部でも無いのにキモいな。
「そうですかそうですか隼人くんは今日一人ですか」
山下優斗、身長が低く筋肉が余りつかない体質を逆手に取ってモテる為、僕っ子の可愛いキャラを演じるが性格の悪さを隠しきれず今だに女子とまともに喋れない可哀想な奴だ。だが大和以上に危険だ。あいつは筋肉が無いのを埋める為にメリケンサックや警棒、鎖を平然と使って来やがる。
「フハハハ、これは天が定めしディスティニー!!己が罪を大人しく受け入れるがいい!」
偽名はカイト、本名は佐藤義信。さっきのセリフの通り現役の厨二病患者だ。普段女子がいる前だと大人しいが、女子が帰り男子だけとなったこの放課後に彼を止めるものは誰もいないだろう。ぶっちゃけるとコイツが一番厄介、無駄に頭が良く俺より頭がおかしいので何をしでかすか全く分からん。
「隼人の兄貴、俺兄貴を信じてたんっすよ。こんな裏切り許せねぇっすよ」
山田颯汰、よく分からんが俺にカツアゲを仕掛けて返り討ちにしたら弟子にしてくれと頼み込み何故か兄貴呼びをしているバカである。こいつは無視でいい、こいつを返り討ちにしたってのも半分……全部こいつの自滅だ。なぜなら颯太は運動神経が皆無だからだ。だって殴りかかって避けたら勝手にこけて頭ぶつけて気絶したんだぜ。バカだろ。
「おいおい馴染みの4人以外にも多くねぇかこれ10人以上はいるぞ」
「はは、最後に言い残す事はあるかい?隼人くん」
「ふっ、最後に立ってるのは俺一人だ」
◇数時間後ぉぉぉの教室ぅぅぅぅ!!!
俺は無惨に倒れた数十人の死骸を後に教室を出た。なぁに単純な理屈よ、この数十名で殺し合いをし生き残った一人に穂乃果の連絡先を教えてやるって言ったまでさ。
意外な事に最後まで生き残ったのは一番初めに勝手に気絶し、最後の方で気絶から覚めた颯汰だった。いゃあ、一番楽に倒せた。
なんで教えなかったかって?言ったろ「最後に生き残った一人に」って、無論俺も入ってるに決まってる。勝手に勘違いして自滅したのはあいつらだ。
いやぁカイトだけはそれに気付いたが変な厨二言葉で全く伝わらなかったのが救いだったぜ。あ、あと俺は普通に穂乃果の連絡先持ってないぜ全部嘘
「いやはや楽勝、楽勝!気分がい!?殺気!」
俺は咄嗟に頭を頭を腕でガードしたが、それでも衝撃を完全に受けきれずに少しよろけた。まずい、利き腕が痺れた。
「あら、完全な不意打ちだったのに受けられてしまったわ。一応お嬢様の目に止まるくらいのハエではあるのね」
俺は攻撃した奴を見るが、全く見覚えがない。日本人には珍しい染めてない金髪で外国人の血が入ってるだろう顔立ちは目立つはずなのに
「誰だお前!なぜ俺を狙う!」
「……あなたと同じクラスのアリスよ。穂乃果お嬢様親衛隊、3番隊隊長よ!」
おっと、同じクラスでしたテヘペロ。つうかなんだよ「穂乃果お嬢様親衛隊」って名前長いわ!どっかで略しやがれ。つうか3番隊隊長って……一部隊に何人いるか何番隊隊長までいるか気になる所だが………結構ヤバい腕の痺れが取れん
「ほう、そうか。けどいいのか?このことは西園寺に対して無断だろ。俺が死んだら愛するお嬢様は泣いてしまうぜ」
「確かにそうね、けど!貴方だけは認められない。例えお嬢様が悲しむとしても、それはお嬢様の未来の幸せの為と割り切るわ!だって、中学時代こっそり好きな子の給食に自分の唾液を混ぜる奴なんか絶対に認めない!!」
「ほう、そうかそう………えっ?何それ俺そんな噂あるの?」
全くもって心外である、だって俺は初恋まだだもん!
「まだまだあるわ。好きな子のリコーダーの上の部分だけ自分のと交換したりプールの授業中あえて休んで女子の発育を観察してメモしてた事も!」
「待って!マジで待って!誰がそんな噂広めてんだ!」
「サッカー部のエース海斗くん、野球部のピッチャー晴翔くん、ゴミの大和の3人よ。特にゴミからのエピソードが多かったわ」
あれっ?すっげー恨まれる心当たりがある。とりあえず大和は後でぶちのめす
「違うんだ!それはちょっと恨みを買う事があって、ある事無い事言いふらされただけでそんな事実は無いんだ信じてくれ」
「私先ほどのあなた方の戦闘を見てましたの」
俺の額から静かに汗が流れる。ヤバい
「その結果、あなたの口から出る言葉は全くもって信用ならない事がわかりました」
あ、終わた
「覚悟はよろしくて?」
彼女はそう言った瞬間またもや蹴りをかましてきやがった。俺はそれを後ろに下がる事で避ける。こいつの蹴りをまともに受けたらダメだ、隊長と言うだけあってかなりの威力。しかも、パンツが見えても気にしない男勝りだ。紳士な俺は気を使わないといけない圧倒的不利な状況!。なら仕方ない
「必殺!ほい、パス」
「え?わっ!重!?」
カバン渡しである。俺は前もって事前に準備するのが面倒くさい人間だ。だから天才な俺は考えた。全部持っていけば準備もクソも無いんじゃないかって。その結果俺の鞄は数十キロをゆうに越える重りとかした。
「ひっはー!これで俺は身体が軽くなった事に俊敏がます!お前が俺に追いつけることは…」
突如として俺の身体に電流が走る。文字どうり
「全く、これしきの相手に手こずってるんじゃありませんよアリア隊長」
「総隊長!すいません。私が力不足なあまりに総隊長自ら動くなんて」
「……スタンガンは無しだろ」
「おや、もう喋れるのですか丈夫ですね。アリア隊長、少々敵をみくびってました。一応穂乃果様に認められるだけあって、ある程度強いようです」
「……これからどうするつもりだ?」
「とりあえず縛って私達親衛隊の本部で裁判をしてもらいます。まっ、する意味は殆ど無いですが」
つまり、このまま待ってても死ぬだけと言う事。しゃあない、あんまり無理はしたく無いが、て言うか無理した所で状況が変わると思えないが、やるだけやってやる!そう言って俺は全身に力をこめた。
「根性ぉぁぁぁ!!!!気合いぃぃぃ!!!」
そして立ち上がった!おりゃあ俺の本気見たかクソアマボケェ女共!!
「え?これは本当に驚きました。スタンガンを直接くらって立てる人なんていたんですね。本当に驚きです。本当さを強調する為に2回言いました」
「ちったぁ、見直し……」
あ、やべ。倒れる。
バタン
気絶なんて久しぶりだ………
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