40話 修羅場
「金剛流転流、【万象流転】」
「豪華一閃流、【乱れ咲き】」
両者の同時攻撃によって………カイトの木刀が折れた。
「嘘だろ!?中に鉄仕込んでるのに!!」
「腕が落ちたわね。そんな玩具使うからよ」
「真剣で戦うバカがいるかぁ!」
「豪華一閃流……」
「え、ちょ待」
「【一華繚乱】」
「ぎゃああああああ!!!!」
「悪速斬!悪は去りました。そちらのお嬢さんこんな浮気ゴミ屑変態野郎を好いてはなりませんよ」
「どうして私がこんな痛い厨二病を好きになるの?私は隼人くん一筋よ」
「は、は、話を聞け………」
◆事情説明中〜
「つまりカイトは浮気してないって事ね。最初から言いなさいよ」
「言う前に切り掛かったのはどこのどいつだ!」
そんなカイトを無視してアリサは西園寺に向き合った。
「うん、こんな可愛い子がカイトみたいな変態好きになるわけ無いよね。ごめんね、勘違いして」
「あれ?俺への謝罪は?」
「大丈夫ですよ。私も立場が逆でしたら隼人くんと心中してたかもしれませんし」
「え、無視?」
「ハハハ!流石にそこまでは私はしないかな。せいぜい、生まれてきた事を後悔させるだけだよ」
「………ゴリラ」
「あ?」
アリサがカイトの首を片手で持ち上げる。身長183cm、体重80kgのカイトをである。カイトがゴリラと言う理由が分かるだろう。ちなみにアリサの身長は181cm、体重××kgである。
「すびませんゆふじてください。くるちぃ」
アリサそのままカイトを片手でぶん投げ旧校舎から落とした。
「………ごめんね、うちのバカが。お詫びに困った事があったら何でも私に言ってね」
「あ、でしたら」
西園寺はこの残された時間でジフ・ベルクに対抗する為に何が必要かを整理していた。まずその一つが
「私の用心棒になってくれない?」
圧倒的な武力。
◆病院
俺は目を閉じながら意識だけを覚醒した。何故かって?今ここが何処にいるかを確認するためだ。ふむふむ、アルコールの匂い。肌触りの良い毛布とベット。これらの事を総合的に見ると病院だな!よっしゃ、やりたい事が出来るぜ!
俺は目を開きそして言う!
「………知らない天井だ」
大・満・足………俺のやりたい事リストの一つが今ここで満たされた。
「何言ってるんですか?」
「分からないのか?今ここでノストラダムの予言が当たらないくらい凄い事が起きたんだぞ」
「本当に何言ってるんですか?」
はぁ、IQが20違うと話が通じないらしい。天才ゆえの苦悩だなこれは。でも俺は優斗、お前の事を友達だと思うよ。
「兄貴!無事でしたか!」
「………誰お前?」
「颯汰っす!なんで忘れるんっすか!」
「お前が空気薄いからじゃボケェ!」
「酷いっす!?せっかく兄貴を助ける為、証拠の動画、大量に撮ってネットに流したのに!」
俺はそれを聞いて目が点になる。お前見ないと思ってたらそんな事してたの?
「ありがとう颯汰………でも、それ意味ある?」
「馬鹿ですか貴方?」
「あん?」
「これだけの物的証拠と動画、揉み消すのにどれだけ時間が掛かると思ってるんですか?」
俺はそう言われ考えて見る。確かに全ての警察を操ってる訳でも無いしネットに流した情報は完全に消す事は出来ない。
「まず、揉み消せるのか?普通にジフ・ベルク逮捕されん?」
「あっちは有名なSNSの会社の大株主だったり所有者でもあります。ネットでの拡散は殆ど見込めません。それにハッカー達も居ると想定していいでしょう。その場合、物理的にスマホの中身から情報が消されます」
大株主や所有者の権力なら大事になる前に沈静化できるな。残ってる火種もハッカーにより無理矢理消されるわけか。
「なるほど逮捕できんなそれ」
「それに当の本人は今頃海外と思われます。全てが落ち着いてからまた事を起こすでしょう」
「なるほどなるほ………待って!?ジフ・ベルク俺捕まえたよ!そういえば気絶した後どうなった?」
「ああ、起きたばっかでしたね」
◆説明終了
「マジかよくそダル」
けど、一体西園寺はどうするつもりだ?ていうかここに居ないし………アイツ居ないの?
「西園寺はどうした?」
「さぁ?」
「我は知ってるぞ」
隣のベットから知ってる声がした。振り向くと同時に仕切りのカーテンが開けられる。
「カイト!………お前がそんな怪我するなんて」
もう、なんていうか全身包帯人間初めてみた。
「安心しろ、骨は一つも折れてない。全身打撲だ」
「………どんな敵だったんだ」
「………知性のあるメスゴリラだ」
「………そうか」
カイトがこんなにやられるんだ。本物のメスゴリラが来たんだだろう。ちくしょう!、ジフ・ベルクめ、野生動物まで従えるとは。
「して、娘の行方だったな」
カイトはそう言ってテレビをつけた。
『【速報】本日午前1時ごろ、○○市○○区の○○で、西園寺財閥のご令嬢が誘拐されそうになる未遂事件が発生しました。警察の発表によると、犯人グループは30名以上の大規模な組織で………』
そこには今回の件がデカデカと乗っていたニュースだった………俺と優斗の目が点になる。
だってさっき公にならないって話をしたばっかである。
「一言でいうと。西園寺がやった。強かな女よ天晴れである」
マジかよ西園寺すげ〜。どうやったか分からんけど敵に回したくねー。
⚫︎裏設定 西園寺がメディアに流せた理由
作中で説明できる自信無いから書いとく
まずジフ・ベルクは名前の通り日本の財閥ではありません。まぁ適当にロシアとかアメリカとか(※決めてない)白色人種の住むところの財閥です。
そんなジフが日本の警察の弱味を握り操れた理由は簡単。西園寺財閥関係者と協力したからです。西園寺穂乃果の兄妹達ですね。
穂乃果は無理矢理、当主になりました。ですが、それは普通に考えて反感を買います。特に次期当主のはずだった長男からの恨みは大きいです。その隙をジフ・ベルクは利用したのです。「穂乃果を当主から退けるから協力しろ」と。
それにより、警察が動かない自体になりました。
つまり、今回の事件は西園寺家の関係者の裏切りによって起きた事件なのです。
穂乃果はその事に気付き、物理(アリサ)によって証拠を集め、脅し(アリサ)によって自白させる事に成功します。それにより警察は動き、メディア関係者とのコネを使い大々的に大きなニュースとして取り上げる事に成功します。
ですが警察に捕えられたのは西園寺関係者と現場にいたパワードスーツ連中と傭兵だけです。
ジフとジフハーレム連中は証拠不十分と海外にいるで捕えられてません。
と、今、後付けで設定作りました。
※この作品はギャ………ラブコメです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます