第4話 審判は今!下される!

 あ、あれここどこだ?身体が思うように動かない……縛られてるのか、けど今はとても眠…


「起きろ」バッシャーン


 そう言って俺は水をかけられた………ふふ、ふはは、フハハハハハハハハ!!!!


「てめぇ!もっと優しく起こしやがれ!!!ぶっ飛ばすぞボケェ!!」


「ひぃぃ!!」


「何うちの隊員困らせていますのよ!」


 そう言い金髪の……アリマ?マリア(アリス)だ!マリアがさっきと同じように蹴りを顔面にかまそうとしてきたが、今俺は寝起きで機嫌が悪い。タイミングを見て蹴りと同時に頭突きをかました


「いっ!?」


 そりゃ驚くわな蹴った方が逆にダメージをおうなんて普通はねぇーもん。


「何を遊んでいるんですか?裁判を始めますよ」


 そう総隊長が言ってマリオ(アリス)はようやく不服ながらも帰って行った。そして俺は改めて周りを見渡すが………え、何ここ、視聴覚室?殆どの席に人が埋まってるんですが、こいつら暇なのか?


「ハッ、おいおいコイツ穂乃果お嬢様親衛隊の覇気に気圧されてんぞ!」


 そう言って日焼けが目立つ目付きの悪いクソアマが挑発してくる。だが残念だったな寝起きならともかく通常時の俺がその挑発に乗ることは……あ、俺寝起きやん


「何言ってんだ日焼けビッチ?俺のこの顔は、こんなアホなことを、こんな大人数でやっている事に対してドン引き顔だ。覚えとけ」


「な!貴様!」「お前の方がよっぽどアホ面だ」「この親衛隊の凄さを分からないとは哀れ」「ギルティ!ギルティ!」「Kannst du ihn töten?」「長髪キメェんだよ」「なんでこんな奴に……穂乃果様が騙されてるに違いない!」「えへへ、死刑だ死刑が見られる!」「ギャハハ!ザマァ見ろ隼人」「隼人くんの死刑が早く見たいです」「こいつは死んだ方が穂乃果様の為ですな」「血だ血が必要だぁ!」「アハハハッいいよ、その自信がある顔が崩れるのがいいんだよ」「mammae」「ウホ、いい男」「審判は今下される。ポエナ・モルティスは免れないであろう」「焼肉食いたい」「それな」「なんでよりにもよってこんな奴が、僕の方がイケてるのに!」「ああ、穂乃果様!穂乃果様の想い他人に対してこの仕打ちお許しください」「純粋に死ね」「アタシビッチジャナイシ」「姉御が傷付いただろ謝れ!」「これだから下民は品性が知れますわ」エトセトラエトセトラ


 ……めちゃくちゃヤジが飛んできやがった。あと大和と優斗お前らのヤジ聞き逃さなかったからな。


「静粛に!!!」


 総隊長がそう言った瞬間、今まで飛んでいたヤジが一瞬にして静まり


「うるせぇ!!俺は隼人にまだまだ文句言い足りないわ!!黙っとけ!!」


「不服ながら同感です、一通り文句を言ってからでもいいじゃ無いですか?死刑なのは変わりませんし」


 かえる事は無かった……おい、大和と優斗やめたれよ。めっちゃ総隊長カッコつけてたよ。ほらずっと俯いたまま動かなくなってんぞ!


「やーいやーいうんこ製造機」「確か将来の夢にヒモかニートって言ってませんでしたっけ」「中学の時好きな子のリーコーダペロペロしたキモイ奴」「そんな過去があるんですか?僕はせいぜい厨二病を拗らせてたくらいしか知りませんでした」「小便器にうんこしたモラルがなってない奴ー!」「そうよ、こいつはプールの授業中あえて休んで女子の発育を観察しメモってたのよ!」「そう言えば私も通りすがりに匂いを嗅がれた気がする!」「ええっ、もう私何度もすれ違ったわ!」「きゃー変態よ!!」

 エトセトラエトセトラ


 おい、有る事はいいが無いことは辞めろ。まるで俺が変態みたいじゃ無いか!俺は紳士だ!第一にまず西園寺に媚薬を盛られて理性を保てる男がこの世にどれほどいるか!まずはそこを考えてもら……やべぇよ総隊長震えてるじゃん、ちょっと涙目になってるって、てか隊員ども!テメェらは流石に黙れ!特にマルコ(アリス)!何一番嬉々としてヤジ飛ばしてやがるんだ……


「あー、お前らとこの総隊長涙目になってんだが大丈夫か?」


「ギャーギャーギャーギャー」


「あれ、聞こえてる?」


「ギャーギャーギャーギャー」


「もしもーし」


「ギャーギャーギャーギャー」


「………」


 あかん、ダメだこりゃ。すまんな総隊長俺に出来ることはもうねぇ、諦めて自然にヤジが収まるまで待ってくれ


 ◇1時間後ー!!!!!


 もう夕方5時をとっくに過ぎた頃、視聴覚室の沢山いた人も部活が理由か飽きたのか知らんが半分以上がもういなくなっていた。しかし少し疑問があるアルティア(アリス)に聞いてみよう


「なぁ、もしかして穂乃果お嬢様親衛隊って今ここにいる人だけか?」


「いいえ、もっと少ないわ。まだ半分以上顔の知らない人達がいるわね」


 ん?て事はだ。あの沢山の人数は親衛隊とか関係なく俺に恨み辛みがあって来たって事か?………わぁー、しちょうかくしつのよくわからないたくさんのあなからたくさんのあんりこさんがでてるーᐠ( ᐖ )ᐟ


「さ、裁判を始めます。こんな屈辱、初めてですええ初めてです。大事なので2回言います………絶対にこの恨みは忘れません速水隼人!!」


「いや、俺!?」


「はい、絶対にこの恨みは忘れません。その胸に刻み込んでください。3度目は言いませんので」


「もういいや、さっさと終わらせてくれ」


「分かりました。じゃ死刑で」


「いや待てや!」


「なんですか?早く終わりたかったんじゃないんですか?」


「終わりもクソもあるかボケェ!せめてなんの罪があるか言えや!」


「面倒くさい人ですね。えーとじゃあ生きてる事自体が罪です。満足ですか?」


「何が『満足ですか?』だ!満足なわけあるかせめて弁護できる内容にしろ!」


「………………もういいや死刑で」


「考えるの放棄してんじゃねーよ!!」


 まずい、せめて形だけでも裁判の形式なれば少なくともやりようはあるのに、これじゃただのうんこだ。よく考えろ隼人、こいつらはつまり俺と西園寺が付き合ってるのが許せないんだな。付き合ってないけどな!付き合ってないけどな!大事なので2回言いました。てことは、こいつら味方やん!!俺はそのまま刑を行使される前に叫んだ!


「待て!俺はお前らの味方だ!」


「は?命乞いですか?」


「まずは話を聞け、俺と西園寺は付き合ってないんだ!!」


 そう言った瞬間、親衛隊の表情が変わった。チャンス!!


「俺は西園寺に告白された!けど俺は断っボゲェ!?」


 アルミン(アリス)顔殴られた


「貴様の様な豚にも劣るゴミの分際で穂乃果様の告白を断った?ヘソで茶が沸かせますわ」


 めんどくせぇなこいつら


「だからだ!俺と西園寺じゃ天と地ほどの差がある!だから俺は自分を引き裂く思いで振った!!」


 そんな事あるわけねぇだろ。何が天と地だ俺はたとえ大統領だろうが戦争孤児だろうが人間みな平等という考えだ。


「な、なんとそれ程までの自己犠牲!わたし感動いたしました!」


 え?、チョロ


「何を言ってるのですか?じゃあなんで穂乃果様自ら貴方と付き合ったと公言なされてるのですか?」


「は!そうよ!この男の言葉は紙よりペラッペラなのよ」


 やはりそこを付かれてくるか、あとアクリルスタンド(アリス)黙れ。けど問題は無し対策済さ!


「それに深いわけがあるんだ。俺の振り方が不味かったんだ『君と僕じゃ月とスッポンどころか太陽とゴキブリなみに釣り合わない……だからごめん』と断ったんだ」


 嘘八百です


「な、なんと言う身の程をわきまえた発言!?穂乃果様の魅力はこのゴミに愛と言う感情を芽生えさせたのね」


 何言ってんだこいつ?


「けど、西園寺は優しかった。立場なんか気にすること無いと言わんばかりに行動された結果が今の状態だ。けど俺は付き合う事を認められなかった。その証拠に穂乃果と手を繋いだ事も無いし連絡先も持ってない!!」


「な、なんと言う美しい精神!わたしあなたの事誤解してましたわ。もしよろしければ私達親衛隊に入隊なさらない?」


「待って」このアホによって切り抜けられそうな雰囲気だったのに一人の静止の声がかかる。


「まずは先程言った証拠を見せなさい」


 チッ、用事深い。だか大丈夫だ俺のスマホにやましい点なんで一つも


 ピロン


 静まり返った視聴覚室内に一つの小さい通知オンが鳴り響く………俺のスマホだ


「見せなさい」


 L◯NE

 honoka こんばんは、隼人くん。今日は私の手作り弁当全部食べてくれてありがう!本当に嬉しかったよ♡明日も作ってくるから楽しみ待っててね!


 あー、はい終わりでーす


「判決、ギルティ」

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