18話 逃げられない
なぜ西園寺の顔は和らいだのだろうか?出来れば理解して今後の対応について対策したいのだが。
「ふふ、やっぱり隼人くんは隼人くんなんだね。分かった使用人たちには注意くらいにしとくね。そうゆう誰にでも優しい所大好きだよ」
「人の顔にゲロ吐く人間が優しいわけあるか。マジで価値観どうなってんの?な、美月」
「いや、私に振らないでくれる。アンタと喋るたんびにお嬢様の視線が凄いの」
確かにそうだ。西園寺のヤンデレオーラは今現在、美月に向いている。俺としてはありがたい事である。
「けど、アンタは優しいというより気にしなさすぎなだけだと私は思うよ。アンタと喋ってると償わないとって真剣に考えてた自分がバカに見える」
「知ってるぞ。美月お前はバカだ」
「席次最下位に言われたく無い!!」
自分でさっきバカって言ったやん………解せぬ
「ふふ、本当に仲良しなんだね」ドロドロオーラ
「そう!コイツだけは囚われてた俺を助けようとしてくれたんだぜ!良い子ちゃんだろ!」
「へっ、ちょ、私にヘイト向けないでよ!」
「大丈夫よ美月、隼人くんを守ってくれてありがとう」ドロドロオーラ
「そのオーラ無くしてから言ってくださいお嬢様!!」
しかし一時はどうなる事やらと思ったがハッピーエンドで終わりそうだ。このまま美月にヘイトを向けて脱出したら完璧だな。
――ガチャリ――
俺は先程までに腕に感じていた物が足に感じてしまっている………なんだろう現実を直視したく無い。
――ガチャリ――
同じような音がした方向を見ると西園寺が自分の足に足枷をしているじゃないか。鎖が何に繋がってるか想像したく無いがそのままドアを開けて帰ろう。
「わ!もう隼人くん。急に動いたらびっくりするでしょ」
なぜだろう、やけに片足が重い。まるで何かに繋がっているようだ。
「美月どうやら俺には何か取り憑いてるようだ。さっきからやけに足が重い」
「なんで私に話しかけるの!それと現実を直視しなさい。アンタはいまお嬢様と鉄の鎖で繋がれてるわ」
なんだかんだ返事するから優しいよなコイツ
「そ、そんな鉄よりも硬い愛で繋がれてるなんて♡」
「お前の耳は腐ってんのか?てか、マジでどうすんの!早く帰りたいんだけど!」
「ダメよ隼人くん。その傷を早く手当てしないと。家には専属産業医がいるから今すぐ行きましょ」
「えっ、あ、はい」
金持ちすげーな
◇診察終了ぉぉぉぉ!!!
「アンタの身体どうなってんの?」
どうやら全部軽傷だったらしい。エグれた手の皮ももうくっつき始めていたり、折れた右腕も全治2週間とか言う意味分からん診断結果が出た。骨折ってそんな早治る?
「しばらく安静にしといてね隼人くん。けど大丈夫、身の回りのこと全部私がやるからね♡」
「俺は両利きだから特に日常生活に支障は出ないぞ。だから早く足枷を外せヤンデレ女」
「ダ〜メ。今回はお父さんを半殺しにした事によって早く帰れたけど。隼人くんは常に狙われてるの。私が近くにいないとまた同じ目にあうよ」
しれっと、ヤバい事言ってないかこの女?お父さんを半殺し?普通そんな頑固親父に逆らえないのが王道じゃない?あ、この作品一番王道からかけ離れてたわ………
「私帰っていい?」
「「ダメ」」
美月はやっぱりバカなのだろう。なぜこの女と俺を二人きりに出来るのか?あと、お前一応使用人だろお嬢様の近くに不審者がいるだぜ警戒しろ。
「いや、なんでよ!しかもお嬢様まで………お嬢様とアンタのイチャイチャなんて見たく無いのよ」
「さ、流石に部屋で二人きりは心の準備がまだ出来てなくて///きゃっ♡」
「一生出来なくていいぞ。
美月、流石にまとも枠が欲しい。じゃないと俺の常識がおかしくなる」
「アンタの常識は元々おかしいわよ!」
今現在、鎖に再度繋がれた俺はこの屋敷に泊まることになった。もちろん西園寺の部屋にである。何処で選択肢を間違えたのだろう………
ちなみに先程から黒服共が俺を見るなりビビり散らしているので、とても笑えます。フハハハハハ!!!
「ほ、穂乃果お嬢様!早くその男から離れて下さい!」
ん?急に後ろから声がかかったので振り向くと、妙に髪が濡れているババァがいた。
●あとがき
登場人物の強さランキング作ろうかな。ラブコメだけど。
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