43話 打ち上げ2

 ――ピピ、好感度70 仲の良い友人程度


 その謎の機械音がバーに鳴り響く………


「………お嬢様なんですかそれ?」


 私はお嬢様が私に向けて持っている謎の機械を指差しながら言った。


「隼人くん専用の好感度測定器だよ」


 ――え?


「いやいやいや、お嬢様何言ってるんですか!?」


「あ、この機械は今までの隼人くんのデータをスーパーコンピュータで分析して思考パターンを限りなく隼人くんに近付けて作ったの」


「え?いや………70ですか私?」


 私は好感度測定器についてツッコむの諦めた。


「本当に良かったよ〜。私より高かったら……どうなるか分からなかったもん」


「ヒッ!?ち、ち、ちなみにお嬢様はどのくらいで」


 お嬢様は笑顔で自分に向けた。


 ――ピピ、好感度70 偶に作ったご飯食べたい程度


「………私も70だよ」


 そう言うお嬢様の目は笑っていなかった。


「実はさっきもやったの、70でとっても喜んだんだ〜」


「すいません!すいません!本当にすいません!」


 ――ピピ、好感度80 親友と同じ程度


 酒場のマスター、ヴィクターが遊び半分で自分に向けたら意外な数値が鳴り響く………。


「あ、いえ、お嬢様。多分何かの手違いで、……無言で近づかないで下さい!!」



 ――ぎゃあああああああああああ



 このホテルにある死体が3人になった。



 ◆



「さて、次はどこに行くか」


「そうですねどこに行きましょうか」


 いつのまにか隣に優斗がいる。………まぁ、対して不都合は無いしいっか。


「優斗さんや。何見て回ります?」


「そうですね。これだけ広いと迷うのは当然です。ですから僕のおすすめを紹介しましょう」


「おけ、助かる」


 ◇


「ここです」


 俺はこめかみを抑えながら溜め息をつく。いやまぁ、いいよ。別に犯罪じゃないし別に俺は気にしないんだけど、なんて言うかまぁ、とりあえず帰りたい。


「さぁ、一緒に混浴エデンへ行きましょう」


「……男湯入るわ」


 俺の肩が今までにないくらい強い力で掴まれる。何お前?貧弱キャラの癖になんでこんな時力強いん?


「よく考えてください僕がこの中に一人で入ったら………」


「まぁ、誰も入らんわな」


「そうです!ですが貴方が入ったらどうなりますか?」


 そこで俺はコイツが何が言いたいか分かった………


「本気か?」


「西園寺さんの生乳見れるなら死んでも構いません」


「………俺にメリットが無い」


「僕の弁当毎日半分」


「ダメだ全部寄越せ」


「くっ、足元を見ますね。それで行きましょう」


「分かった。だが俺は混浴入るだけ何もしないからな。西園寺が来るか来ないかには責任を持たん」


「安心してください。貴方は混浴に入るだけで結構です。後は全て僕がやるので」


「そうか、なら行こう」


「ええ、エデンに」



 ◇かぽーん



「フハハハハ!!貸切露天風呂最高じゃ!!」


「風呂場で泳がないでください!しかもバタフライで!」


「なぜだ?せっかくの貸切だぞ。普通じゃ出来ないことが出来るんだぞ。するしかないだろフハハハハ!!!」


「………何故このようなアホがモテるんですかね?まぁいいでしょう計画は順調に進んでいます」


 そう言うと優斗がメガホンを取り出した。


「お前一体何を」


「速水隼人が混浴にいるぞぉぉぉ!!!」


 ――ドドドドドドドドドド


 優斗がそう叫ぶと同時にホテル全体が揺れ始め混浴の更衣室がドタバタドタバタと騒がしくなる。


 えっ、何これ?


「速水隼人!早く混浴からでなさい!」


 まだ混乱が続く中、一番初めに混浴に来たのは総隊長だった。いやなんで?


「穂乃果お嬢様親衛隊と護衛官が全力で時間を稼いでいます。ですから早ッ!?」


 ――バッン!?


 総隊長に優斗が蹴りを入れた。総隊長は腕でガードしたが、性欲によってリミッターが外れている優斗の蹴りで少しよろける


「興奮状態の僕に勝てる奴はいない」


「くっ、山下優斗ですか。中々やっか…い?」


 総隊長の視線が優斗の下半身にむく


「………ちっさ」


「ボゲファ!?」


 ――バタン 優斗は即死攻撃を受けた。


 俺はすぐさま駆け寄り介抱する。


「優斗ぉぉぉぉ!!!!くっそ。なんて残酷な事いいやがるんだ!事実でも言うなよ!」


「グッハッ」


「貴方がトドメ刺してますよ」


 俺はその辺に優斗の死体を捨て置き逃げる準備をする。依頼者の優斗が死んだ今、俺がここにいる意味が無くなったからだ。


 あ、ちゃんと腰にタオルは巻いてるぞ。


「と言うわけ右と左どっちが男湯?塀を飛び越えるよ」


「え、あ、右が男湯ですよ」


「おけ、あざっす」


 俺は3メートルくらいある塀を楽々とのぼり男湯に入る。


「あら、新しいお客さんかしら?」


 龍骨院金堂がいた………俺はそのまま無言で混浴に戻る。


「なんで戻って来てるんですか!?」


「いや、まぁ、ほんと、なんていうか、うん………」


 貞操の危険を感じた。


 ――バタン!?


「隼人くん一緒に入ろ〜」


 あ、やっべ西園寺が間に合いやがった。一応格好は水着なので一安心。まだ裸を見せるのは恥ずかしいのか親衛隊と護衛官が頑張って着せたのかは判断に迷うけど


「復活!フッ、水着など想定内です」


 それと同時に優斗が復活し何かボタンを押した………おい、まさかお前。


「全てを吹っ飛ばしポロリする事が目てきぁぁァァァ目がァァァ!!!」


 起き上がった瞬間、総隊長によって優斗は目潰しされた。だが、押したボタンの結果は変わらない………



 ――ドッカァーーーン!!!



 爆発落ちかよ!!!



 あとがき


 どうも最近、別の作品に浮気してる渡辺です。ちょっと最後適当な爆発オチなのすいません。オチが思い付かなかったんです🙇🙇

 次回は男子共の恋バナなんでネタには尽きないと思うので次から本気出します。

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