34話 一勝

 ――クソクソクソクソ!


 俺様は苛立ちを隠せずにただ逃げ惑うしか出来なかった。


 なんだアイツ!ただの一学生の癖に普通の一般人の癖に!傭兵稼業10年、こんな奴には今まで一度も会ったことない!しかも日本という平和ボケした連中の中でだ!


 俺様は、使わないと決めていた。銃の安全装置を解除した。


 ――トン


 その足音ともに俺様は銃を構えて飛び出す。


「動くな!動いたら撃つ」


 ――トントン


 聞こえたはずだ。なのにその男は無造作に距離を詰めてくる。


 頭おかしいのか?俺は遠慮なく引き金を抜いた。


 ――カン


 銃弾はその音とともに明後日の方向に飛んでいた。銃弾を木刀で弾いたのだった。


 ありえない。もうそれは人間が出来ていい範疇を超えている。


「一つ、問おう。一騎当千という言葉知ってるか?」


「………誰でも知ってるだろ」


「そうだな。だが少しこの言葉よく考えてみよ。今の情報社会の世の中により、人間の限界は皆分かるようになった。足の速さや筋力などなど。自分の2倍の体重を持てるだけで大したものだ。 

 だが、どれだけオリンピックレベルの身体能力を持ったとしても1人で1000人を倒せると思うか?」


 俺様は嫌な予感を振り払うように強めの口調で言った。


「ちょっとした誇張表現だろ。実際にいる訳ねぇ」


 さっきのはまぐれだ。その証拠にアイツは対話望んでいるに加え、あの場から動いていない。今、俺の方が優位に立ってる。


「ああ、誰しもがそう思う。だが我はそうは思わなかった。今を生きる侍が時速350kmのBB弾を切ったり、300人で20万以上の敵相手に奮闘したり。その他にも数々の伝説の歴史がある。………古の記録の真偽は不明だが。我は信じている。たった一人で千人を倒せる存在がいる事を」


 なんだこれ?恐怖か?この俺様が?ありえねぇ!ありえねぇんだよ!


「それが今なんの関係がある!」


 ――バンバンバンバンバンバンバン


 全弾使った。俺の腕なら全て命中してるはず。さっきのがまぐれで無くても必ず一発は命中する。それが人間の限界だ。限界じゃないといけねぇー!


「それを今、我は証明するため生きている!」


 す、全て、弾かれた。嘘だ。嘘だ。嘘だ!いて、いいわけがねぇ。こんな人間、しかも学生で、いていいわけがねぇ!!!


「あ、ありえねぇ。ありえねぇ!なんだお前!」


「カイトだ。異世界より帰還せし騎士であり、ただの隼人の友人、佐藤義信だ」


 ――金剛流転流 進撃


「グッハッ!?」


「我が出せる。最速の突き技だ。いくら先読みが出来ても純粋に身体が動く前に攻撃すれば、良いだけの話」


 ありえねぇ…………



 ◆



「………倒すのに時間がかかってしまった」


 ふぅー、師匠による地獄の修行の成果で銃弾を防げた。あれがなければ弾き方によって自らに当たってしまっていただろう。

 まさか久しぶりに死を感じるとはな。


 o-( _ _)oバタリ


 金剛流転流 盤石不動の構え


 全ての攻撃を弾き、絶対に倒れる事の無い技だが、その為に一時的に人間に備わっているリミッターを外さなければならぬ。それゆえその反動も相当なもの…………一歩も動けぬ。


 我は師匠の元で過酷な修行をした事によりこれをものにしたが隼人、彼奴は己の感情を支配する事によりリミッターを外しおる。意味が解らぬ。


「武の才が有れば我より強かったであろう」


 だから勝て。貴様は我が認めた男。無様な真似は我が許さん…………



 ◆



「やぁ、遅かったね穂乃果。そして速水隼人」


 旧校舎、屋上。まるで待っていたかのように金髪イケメンの男が出迎えた。


「ああ、決着をつけよう」




 ※この作品はラブコメです。


 あとがき

 

 よっしゃ自動車訓練学校卒業したぜ!まーじで運転したくない。怖い、無理、ヤバい。

 というわけで久しぶりの渡辺です。初心者なんで色々と書き方を変えたり、視点を変えたり手探りでやってます。

 やっぱノリで作ったせいで全体の話のまとまりが無いのが問題点ですね。それなのに見てくれる読者の皆様には感謝しかないです。🙇🙇🙇

 自分的に一番面白いのはノリで作った最初らへんなので今後の課題は初めを超えるギャグシーンを考える事ですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る