第13話 身体能力テスト

「………ここはどこだ?あ、間違えた。知らない天井だ」


 気絶から目を覚ました俺はよく分からん場所に連れてこらていた。辺り一体は全て白い壁である。多分あれだ、ずっとここに暮らしていたら精神がおかしくなる所だ。

 どうやら毒はもう解毒出来たらしい身体が軽い俺がそう思い手足を伸ばすと


 ガシャ、ガシャ


 ふむ、どうやら手首が鎖に繋がれているようだ。指や手の関節をいくつか外せば取れるかな?それかぐるぐる巻いてテコの原理で鎖切れんかな?今はいいか、情報集めてから決めよ。


「起きましたか?」


「起きてねぇから喋りかけんじゃねぇ!」


 なんか急に部屋中に声が聞こえてきた。スピーカーでもあんのか?とりあえず安全圏から話しかけるのが気に入らない。


「………次そのような言葉使いをしたら罰を下します」


「うるせぇ、ビッチ。ぎゃあああああ!!!」


 鎖から電流が流れやがった!ガチで人体実験の施設じゃねぇか!ふっ、だが残念だったな。俺はそんくらいでは屈しない!


「ただいま起きました。ミジンコ以下のわたくし目に何のご用でしょう?」


 あっれ?おかしいな思ってることと口で言ってる事がちげぇ


「理解の早い子は好きです。では早速目的をいいます。私達の命令は『隼人くんの事沢山調べてちょうだい』とういもの、その為に貴方にはデータを取るために色々とテストしてもらいます」


「………もし協力しなかったらどうなるのでしょう?」


「先程のように罰を与えます。罰のレベルは10段階あります。先程のはレベル1です」


 うん?コイツら俺を殺しに来てね?


「もしそのテスト中に俺が壊れた、もしくは死んだ場合はどうなるのでしょう」


「いったいどれくらいで壊れるのか死ぬのかのデータが取れます」


 うん、殺しに来てるね


「まず第一に行うテストは身体能力テストです。次に精神テストを最後に穂乃果お嬢様にふさわしいかテストします」


「もしテストに合格出来なかったら?」


「死んでください」


 とうとう口ではっきりと言いやがった。この腐れババァ。声だけしか聞こえんがクソババアなのは確定した。

 けど、これからどうしよう。流石に最初から殺しに来ないことを信じて、実験に協力しながら情報集めるか。


 ――ウィーン――


 その音とともに、なんかランニングマシーンやらダンベルやベンチプレスが出てきた……


「では早速、身体能力テストを開始します。ランニングマシーンに乗ってください」


「Yes, ma’amぎゃあぁぁぁぁぁ!!!」


「ふざける人は嫌いです」


 クソババァが!Yes, ma’amくらいいいだろ!

 コレあれだ多分適当な理由つけて何度も罰するやつだ。昔の人体実験にそうゆうのあった気がする。で、最終的に特に理由が無いのに何度も罰与えるオチだったか?ゴミやな


「はい、わかりました」


 そうして俺はランニングマシーンに乗った。どうやら自動で動いたのでランニング設定はババァが決めているようだ。その証拠に急に結構飛ばしてくる………まだ、若いから良いけどよ。ストレッチくらいさせて欲しいわ。

 そうして1時間くらい経っただろうか?流石にこのペースで1時間だとキツくなってきた。


「あ、あの。いつまで、続け、るんですか?」


「貴方が倒れるまでです」


 は?マジで初っ端から殺しに来てんじゃねぇか!


「それと、テスト中の私語禁止です。罰を与えます」


「は?ちょまっ!?ぎゃあああぁぁぁぁ!!」


 俺はそのままランニングマシーンから転げ落ちた。そりゃそうなるわ。けど一応倒れたし終わりか?


「何をやっているんですか?早く戻ってください」


「ですが倒れましたよ……ぎゃあぁぁぁ!!」


「倒れるとはつまり気絶するまでです。こんなことも分からないのですか?」


 分かるわけねぇだろ!!けどまぁ、いい情報が手に入った。なるほど気絶さえすれば休めるわけだな。

 俺はまたランニングマシーンに乗り1時間走って気絶する振りをして倒れた。


「ぎゃああああぁぁぁぁぁ!!!!」


「まだ起きていますね。走ってください」


 そりゃ電気流されたら誰でも起きるわボケェ!!何?こいつバカなの?限度てのも分からないの?


 そして俺は渋々また走り出した。今度は10分そこらで気絶する振りをする。今回は叫ぶつもりは無い流石にもう慣れた。痛いのは変わらんけどな。


 バチバチバチ


 痛ってぇ!また容赦なくやりやがる。お、止まったか?痛ってぇぇぇぇ!!!!????あのババァレベル上げやがった!


「レベル上げたのに反応がありませんね?もっと上げてみます」


 は?ぎゃあああぁぁぁぁぁ!!!!マジかコイツ!?ガチで殺す気じゃねぇか!マズイどんどん上がっていく!?下手すりゃ死ぬぞ!


「指令!流石に死んでしまいます!」


 そう誰かの声によって、電気が流れるのが止まった………多分、声からして美月だな、スピーカーにまで声入ってんぞ。けど、サンキュー


「流石にそうね、」


 あの時総隊長のスタンガン1回喰らって無かったら、今の時点で意識保てなかったな。

 ある程度喰らったし、電撃に耐性出来たかな?毒も耐性できたし多分気合い入れれば、いけるか。

 さて、一応気絶した振りをいつまで続けるのか………流石に食事はあるよな?あと数時間経って来なかったら鎖から抜け出して暴れるかカイトを呼ぶか、どちらかするからな!

 そんな俺の心配は杞憂だった。しばらくしたら団子に結んだ女によって飯が運ばれてきた。水かけられて起こされたけど


「ぷぷぷっ、感謝して食いなさいよ」


「ん?感謝して食べるけど………」


 何に対して笑ってるのだろうこのクソ団子は?飯になにか入れてるのか?イモリ、カエル、多分豚の目玉、あとは紫色の液体………特に変なものは無いか。そう思っていつも通り集中して食べた。


「ぷぷぷっ、強がってる」


 飯中に喋りかけんな!




 こうして俺の監禁生活?実験生活?まぁ、最悪な生活サイクルが始まった。

 あの後、飯を食い終えた俺は特に何も無かったが、体感で6時間くらい経ってからまたテストが再開された。

 おそらく睡眠時間だと思われる。俺はイルカのように半分寝て半分起きている状態を維持していたので睡眠不足という問題はない。

 ………えっ、なんでそれ出来るの?って?よく考えてみろ人間は生物界トップなんだぜ、イルカごとき畜生に出来て人間に出来ねえって事は無いと思ったら出来た。

 えっ、分からないって?………元々睡眠の原理なんて不明なんだよ!気合いだ気合い!気合いと根性で大抵なんでも出来んだよ!


「おはようございます。朝食をいただいた後すぐテストを開始します」


 そう言ってまたお団子が緑色のネバネバした朝食を持って来た。


「ぷぷぷ、今日はおかわりもあるよー、ぷぷぷ」


 何となく察しているが、コイツら俺についてちゃんと調べたのか?普通に嬉しい事されて戸惑わせる作戦か?一応、胸が引き裂かれる思いで言ってみよう。


「モットチャントシタショクジクダサイ」


 うわやっべ、嘘つきたくない事で嘘ついたせいで棒読みになってしまった。


 パァン!!! 俺の顔が鞭で引っ叩かれた


「ぷぷぷ、ワガママは行けないんだー」


 そりゃそうですよね。それから俺は無言で食事を再開しておかわりまで完食した。

 ふむ、どうやらコイツらは俺がどんなものでも好き嫌いなく食べる事を知っていないらしい。

 ここに捕まった時の脱出の時点でもそうだ、俺のメンタルが普通折れる事無いというのに、ただ、へたり込んだだけで美月は折れたと勘違いした………、だが、毒の耐性は知っていた感じだったし………んー、分からん。とりあえずもっと情報を集めよう。


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