27話 ダンボールハウス
「不満しか無いわ!事情説明したよな今行くところ無いから泊めてくれって!もう夜遅いんだが!!」
今現在、俺と西園寺は追われてる身。しばらくは何処かに泊まった方が良いと判断して、頼ったのがコイツなのが間違いだった。
「何を不満に思ってるんだ?ちゃんと寝る所はあるじゃ無いか」
「寝る所しかないのが問題なんだ……」
「隼人くん、私大丈夫だから」
西園寺そう俺の名前を呼んで、またもや覚悟を決めた笑みを浮かべた。………その笑み浮かべるレベルですか……。
「2対1だ。観念せい」
いや、俺は大丈夫なんよ。まるで俺が我儘いt
◆夕食
「お前ホームレスの癖に滅茶苦茶料理上手いな川魚なのにフランス料理食ってる気分だったわ」
俺は食べ終えてそう感想をこぼした。何故か調理器具や調味料は一式揃っていて作ってる時は本場のように火柱立てながら調理したのだ。
その結果ダンボールハウスは燃えて無くなった。
「ま、負けた」
西園寺は先程からあんな感じに絶望してる。けど恥じなくてもいいと思う。お前の実力は普通に料理上手な部類だ。ただプロには劣るってだけで。けど、川魚なだけだとやっぱ足りんわ。俺はそう思い、そこら辺で拾ったキノコを取り出した。せっかくだから料理してもらおう。
「カイト、このキノコ炒めてバター焼きとかにしてくれん?」
「よかろう。我自ら振る舞ってやる。して、これ本当に食用?」
カイトがそう不信がってるので目の前でひとかじりした。うん、そんな美味くない。
「………是」
◆夕食後〜
「して今一度説明せよ」
夕食も食べ終わり、質問してきた。口元の食べカスが無ければまだ格好がついたのに。
「電話で言った通りだ。西園寺が西園寺家現当主になった事により、それを気に食わない奴ら武力行使に出ている。ご丁寧に警察までグルと来てるからお前を頼った」
こいつにはこんだけで現在の状況は伝わる。常日頃から厨二病を患い妄想力だけは人一倍強い。武力行使やら警察やらも適当に妄想で結びつけるだろう。
「して、それで?」
「それでって、報酬が欲しいのか?それは西園寺に相談」否」
カイトが被せるように否定してきた。
「我が問いたいのは何故、貴様は小娘と共闘しておるのか?それだけよ」
「金だよ」「愛です」
西園寺が同時によく分からないこと抜かしているが気にしないことにする。気にしないったら気にしない。
「左様か」
カイトが目を瞑りそう納得した。無駄に行動だけは厨二病だけあってカッコイイんよなコイツ。ご飯粒で台無しだけど。
そして、俺はある事を思い出しカイトに質問した。
「そう言えばカイト、お前俺に戦争が来るとか言ってたよな。一応今の状況も戦争と言えば戦争みたいなもんだけど分かってたのか?」
「…………………………………………………………………………………………ああ、アレか」
コイツ忘れて無かった?
「アレを話すと長くなるが、遡ること3週間前、深夜2時。我が日課の全裸徘徊をしている時だった」
「What?( ͡° ͜ʖ ͡° )」
「満月の夜、港は冷ややかな霧に包まれ、薄明かりが波止場をかすかに照らした。その中に二人の人間がいた。
『マジやべぇってこのエロ本マジやべぇって、こんなん戦争起きるっしょ!戦争待った無しっしょ』
『でゅふふふ、やはり鈴木殿は話の分かるお方、お貸しして正解ですな。してそろそろ返して欲しいのですか……鈴木殿?そ、その手を離して………離しやがれ鈴木!!!!』
どうやら戦争の火種になりうる危険物の取引のようだった」
マジでコイツと友達になれる俺すごいと思う。俺はツッコミたい事を我慢して言いった。
「………よーし、うん、それが戦争と何の関わりが?」
「今その危険物は我が持っている」
カイトはそう言ってエロ本を取りした。
「………少し見せてくれ」
「ほう、貴様が興味を持つとは珍しい。良かろう」
俺はそのエロ本を受け取り――川に投げ捨てた。
「幸子ぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
――ドボォォォォンンンンン!!!!――
迷わず川に飛び込みエロ本を取りに行く
「よし、寝よ」
◆夜中の橋下
隼人が完全に寝静まった頃、カイトは火を焚いて濡れた身体と服を乾かしていた。服は学生服一着しか無いので服を洗っている間は全裸にならないと行けない。日課の全裸徘徊の理由もこれが1割をしめる。
けど西園寺がいる手前、「お前、流石に下隠せよ?」と隼人に言われたので流石に下は隠していない。
そんな中、カイトは西園寺に話しかけた。
「女、起きているな」
「…………」
普通に考えて、全裸の同級生に急に話しかけられたら皆さんどうしますか?結論、知らない人のフリをする。
「我の問いを軽んじるか?」
「…………」
「………隼人の好きなタイプ」
「どうしたんですか佐藤さん?私の知ってる事じゃないと、ただじゃおきませんよ」
「案ずるな、昨年夏の休日、我らは無人島で遭難した仲だ。隼人の事は貴様より熟知しておる」
「へー、言ってくれるねー………無人島?」
「それに貴様、必ず夏になると消えるアレ《隼人》の消息も掴めておらぬだろう」
「……」
西園寺が黙ったのはカイト言っている事が正しい事にほかならない。
西園寺は隼人に確かにできる限り調べた。人を使って学校を使って、だが、必ずと言っても分からない事があった。隼人は夏になると必ず消息不明になるのだ。
「やはりな。なに、恥じる事は無い。付き合いが長い我も無人島の件で初めて知ったからな。
…………我が言うのも何だがアレはやっぱ頭が壊れてると思う」
「それで、用件は何?自慢したいだけ?」
西園寺が不機嫌になるのも無理は無い。特に話したい相手どころか話したくない相手の上、お前より隼人を知ってる自慢をされたのだから。
「いやなに、貴様とアレでは釣り合いが取れんなと思っただけよ」
「そんな事ない!隼人くんを悪く言わないで」
「何を勘違いしておる?――――――貴様が隼人と釣り合っておらぬと言ってるのだ」
西園寺のその表情はまさに鳩が豆鉄砲を食ったようだった。
あとがき
特に書く事ないわ。
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