37話 彼女
「それ以上の暴挙はこの剣聖アリサ・ヴェル・アレストロの名にかけて見過ごせないわ」
モデルのようにスラっと高い身長、整えられた銀髪の短い髪。中性的な凛々しい顔立ち、見間違うはずがない我の………いや、俺の異世界での相棒であり、親友であり、彼女でもあるアリサ・ヴェル・アレストロ本人だ。
さて、どうも皆さんこんにちは素の佐藤義信です。何故急に素の俺が出てきたのか説明しましょう。
――カッコつける余裕がないからだ!!!
「いぃぃぃやぁぁぁだぁぁぁぁ!!!!」
俺はそのまま叫びながら5階の窓から飛び降りた。
無理無理無理無理無理!アリサ来たアリサ来たアリサ来たマジなんでふっざけんな!
18名の刺客はどうするかって?知るかぁ!!
◇
場所は移りて、校門前の戦闘 山田ももちゃんは苦戦を強いられていた。
私は何度かの攻防で理解します。力、身長、速さ、技術、全てこの人に負けてます。
私は近接戦でかろうじて喰らいついていますが、いずれ崩されます。ですから一撃もらう覚悟でスタンガンを当てます。タイミングを見計らい………今!
「くっ!?」
私は一撃まともに喰らった事によりそのまま数メールは飛ばされます………デカい一撃ですが、当てました。
「な!?」
ピンピンしています!………あの変な服が原因ですか?
………選択をミスりました不覚です。
「て、ちょっと!?こっちは二人相手にしてるんです!一人くらい倒してくださいよ」
「うるさいです!あなたのスタンガン効きませんでしたよ。パチモンですか?」
「人から奪っておいてどう言う言い草ですか!?」
優斗は二人同時に相手しながら、時々ももちゃんに視線を送る。理由は敵の情報を得る為であった。
電気耐性付きですかあのパワードスーツ。電気で壊せたら楽でしたが、やはり真正面からのゴリ押ししかありませんか。
今現在、中距離から攻防を仕掛けていますが5分も持たないでしょう。最悪、貧乳がやられた場合も想定しますか。
「チッ、ウゼェな」
敵はそう言って武器を取り出します。ふむふむスタンロッドですか………え、馬鹿ですか?
僕はその守りに徹していた鎖を責めに回す、それにより驚いた不審者が、スタンロッドで咄嗟に守ります。
「ッ!?」
おや鎖に電気が流れる事に気付きましたか?ですが慌てて電気の電源消すには遅すぎましたね。
もう貴方の首に鎖は触れてます。顔まで全てパワードスーツで覆ってれば話は別でしたが、油断しましたね。自分で取り出したスタンロッドで死になさい!
「ギィヤァァァぁ!!!!」
僕はそのまま一人を感電させ無力化します。
「まずは一人」
さて、もう一人を………逃げた?いえ、これは
「貧乳!右!!!」
「えっ?キャッ!?」
僕から逃げた奴に貧乳が捕まりました。
チッ、僕をやるより貧乳を先にやった方がいいと気付きましたか。
「動くな!さもなくばこの娘の腕を折る」
そう来ましたか………
山田ももちゃんは敵に捕まり、自分の不甲斐なさを嘆く。
またもや、油断を。自分の目の前の敵だけに集中して戦況全体を見ることが出来ませんでした。だから………自分のミスの責任は自分で取ります。
「私の事は気にしないでください。腕の一本や二本はくれてやります!」
「おけ」
「へ?」
――バン!!
私の頬のそばを何かが一線通った。
「ぎゃあああああ!!!」
それは弾丸だった。私を掴んでいる手に寸分違わず命中しました。
私はその隙を見て力の抜けたタイミングで脱出します。
――バン!バン!バン!バン!バン!バン!バン!
「「ぎゃあああああ!!!」」
早撃ちですか……全弾命中だけじゃなく、四肢を正確に狙って無力化しました。
「丁寧に四肢を狙いました。やはり防弾性能はピカイチですねそのパワードスーツ。貫通していないんで骨折程度でしょう。欲しいですね」
「は?……………」
私は遅れて、声を漏らす。
私は夢でも見ているのでしょうか?この変態への怒りよりも先に戸惑いが勝ってしまいます。
「しかし、まさか銃を使ってしまうとは内緒にして下さいね。それにしても………この敵いい身体してますねぇ」ニチャ
「ヒィ!?」
ですがこの変態がいつも通りな事で、またもや状況の整理が追いつきました。ムカつきますが
「………どんだけ卑怯者なんですか?なんで銃を持ってるんです?しかも普通あの状況で撃ちます?どんな神経してるんですか!?頭イカれてるんですか!?いいえ断言します。頭がイカれています!!とてもイカれています!!!大事なので2回言いました」
私は喋っている内に沸々と湧いてくる怒りを全て変態にぶつけた。
「助けてもらってその言い草ですか?貴方が弱いからいけな………ちょっ、首絞めるのやめ!ち、力つよ!」
私は怒りに任せ変態の首を締め持ち上げますが、違和感を感じます…………武器の量に対しておかしいくらいに軽いです。
鉄の鎖や色々な武器を大量に抱え込んでいるのに60キロほどの重さしか感じません。
「………変態、軽すぎませんか?ちゃんと食べています?」
「どこを心配してるんですか!?おろ、し……テ」
私は変態をおろした。
「はぁー、はぁー、自分食べても太らない体質なんですよ」
「自慢ですか?」
「違います。その分、筋肉も付かない体質です。じゃなきゃこんなに武器持ってませんよ」
私は改めて変態を見ます。背は私より高いが男にしては低め、手には何度も何度も練習したのだと分かる豆、なのに努力に釣り合って居ないひ弱な身体…………そうですか。
私は不服ながらこの男の強さに関しては敬意を払います。とても不服ですが、とっても不服ですが!大事なので3回思います。
「はぁ、あの状況で撃った怒りはありますが結果的には助かりました。感謝します山本くん。一度しか言いませんが」
「………山下です」
「…………」
◆
とあるビルの一室
パワードスーツを着た18人の傭兵全てが倒されていた。
「ば、化け物………」
一人の傭兵がそう一言言って気を失った。
「カイトったら、せっかくここまで追いかけて来たのに逃げ出して。多分、当分は会えないわね」
そう言った後、彼女は5階から飛び降りた。
あとがき
安心してください。異世界に行く事はありません。あと、まだ二人の妄想だって可能性もあります。作者の私も明言しません。
一応、優斗の銃は自作です。何故持ってるかの説明できるか分からないので一応書いときます。
二人の視点を交互に書いたり所々に三人称視点だったりするのは、ちょっとした練習です。読みにくかったらすいません🙇
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