概要
「妹よ、そのバズはお前の実力じゃなくて、僕の身バレのせいなんだ」
「おにい、暇だよね。ニートだし」
なかなか酷い言い草であったが、確かに僕は暇だったし、ニートだったし、お兄ちゃんだった。
なにも間違いはない。
椅子をくるりと回転させて振り返ってみると、妹が土下座をしていた。
花巣祢巻《はなすねまき》。
16歳。高校生。
ボブカットの茶色い髪。
眉毛の長い吊り目。
いつも自信満々な顔をしていて。
ふんす。と鼻を鳴らすのが癖。
しかしその自信満々な顔は今は見えない。僕の部屋の床に額をぶつけているからだ。
「い、妹の土下座なんか見たくなかった!」
「おにい、お願いがあります!」
祢巻は土下座を一切崩さないまま叫ぶ。扉が開いたままなので、もし両親が部屋の前を通りかかったら家族会議ものだろう。
「祢巻、僕のことを土下座しないとお願いを聞い
なかなか酷い言い草であったが、確かに僕は暇だったし、ニートだったし、お兄ちゃんだった。
なにも間違いはない。
椅子をくるりと回転させて振り返ってみると、妹が土下座をしていた。
花巣祢巻《はなすねまき》。
16歳。高校生。
ボブカットの茶色い髪。
眉毛の長い吊り目。
いつも自信満々な顔をしていて。
ふんす。と鼻を鳴らすのが癖。
しかしその自信満々な顔は今は見えない。僕の部屋の床に額をぶつけているからだ。
「い、妹の土下座なんか見たくなかった!」
「おにい、お願いがあります!」
祢巻は土下座を一切崩さないまま叫ぶ。扉が開いたままなので、もし両親が部屋の前を通りかかったら家族会議ものだろう。
「祢巻、僕のことを土下座しないとお願いを聞い