第7話 好きの反対は無関心って言うけど、恋しいの反対は憎悪だよね

 

 帰宅したあと確認すると莉音からメッセージが届いていた。


『羅怜央くん今日はごめんなさい。せっかく誘ってくれたのに』


 でもどう返信したら良いのか分からず既読スルーをしてしまっていた。 


『どうしたの?なにかあった?』

『返信ください待ってます』

『もしかして怒ってますか?』

『ごめんなさいごめんなさいごめんなさい』


 こっから着信が数件……やっぱり何を話したら良いのか分からず取ることが出来なかった。てか最後のメッセが怖すぎなんですが?


『電話に出てください』

『お願い返事して』

『羅怜央くんお願いします声を聞かせて?』

『お願いしますお願いしますお願いしますお願いします』


 その後またメッセージの嵐。てか、また最後が怖いんですけど……これは返信しないと延々と続くやつだと思ったので、


『体調悪いから寝る』


とだけ返信してスマホの電源を落とした……




 明けて月曜日、嘘から出た真かホントに体調が悪い……


「母さん体調悪いから今日は休むわ……」


 おふくろに体調不良を告げる。普段なら多少の体調不良ならケツを蹴飛ばして学校に行かせるのに、


「うわっホントに顔色悪いわね、大丈夫なの?病院行っとく?」


「そこまでじゃないよ。寝てれば治るだろ……」


「学校へは連絡入れとくから寝てなさい」


「う〜い」


 休む許可は取れた、4人のグループチャットに休む旨書き込む、


『体調悪いから学校休むわ』


『軟弱者が、大丈夫かよ?』


 うわぁよりによってこいつが1番手かよ……しゃーないそれっぽいこと書いて打ち切ろう。


『寝てたら治るから寝る』


『羅怜央くんあとでお見舞いに行くね』


『行かないほうが良いんじゃないかなー』


 なんか不穏な会話がなされているが体調が限界……おやすみなさい。





 意識が覚醒したとき視界の隅で、重なってたものが離れたような気がした……


「頭痛え……」


 ガサ、ザザ、隣でなんか物音がする……


「羅怜央目が覚めたか?」


 今2番目に聞きたくないが聞こえた。反射的に殴りたくなったが理性を総動員して抑え込んだ、


 でも


「羅怜央くん大丈夫?起きられる?」


 理性を総動員して衝動を抑えてるときにこのはいけない、無防備な肝臓レバーに角度をキメたリバーブローをもらったように(もらったことないけど)込み上げてくるものがある。

 心配そうに覗き込んでいる莉音を払いのけるように立ち上がりトイレに駆け込む。


「うげぇえええーー」


 リバースアゲイン……昨日から何も食ってないから出すもんねーぞ。気持ち悪い嘔吐感だけだ……


「羅怜央くん!」


「来るな!汚えから来るな」


「汚くなんかないよ!?羅怜央くんだもん!」


 汚いんだよ!寄るんじゃねぇ!

 俺の声を無視して背中を擦る莉音、込み上げてくる嘔吐感に振り払う気力も無くす。


 顔を合わせて初めて分かった。俺はこの2人を憎悪してるんだ……





 体調が戻ってないという事で2人には帰ってもらって、それを見計らったようにいよなが部屋に来る。


「ラーくん体調大丈夫?」


「お前分かってて言ってるだろ?」


 こいつ何気にいい性格してるよなぁ。なんか朝からこうなるの分かってたっぽいし。


「それで2人に会ってどうだったぁ?」


「お前性格悪いよな……それも分かってるんだろ?自分でもビックリだよ、あいつら2人にこんな感情を向けるなんて」


「じゃあ昨日の話……」


「ああ、今度は真面目にやってやる。みっともなくてもあいつらにトラウマ植え付けてやる」


 言ってて情けなくなるけど、なんとかあいつらに一泡吹かせてやりてぇ。


「なら、ダメ元で今週の土曜日やってみましょ」


「ダメ元なんかい!」








◇◆◇◆


お読みいただきありがとうございます。


ダメ元で作戦決行するおバカ2人……

おバカな子ほど可愛いって言うし、こいつらも可愛がってくださいませ。


次回も読んでいただけると嬉しいです。




宣伝!


サレ妻の復讐ものです!主人公が見方によってはおバカです。

コンクール出品作品ですので応援していただけると嬉しいです。てか☆とフォローください(ダイレクトマーケティング)


https://kakuyomu.jp/works/16817330665273163974


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る