第33話 おバカさん2号 対 いよな・沙織 5
【安里 いよな Side 】
りっちゃんが私に喧嘩を売ってきた!買ってあげるよ?てか泣かす!
「今現在誰のせいで苦労してると思ってるのかなぁ!?りっちゃんが分からず屋のおバカさん2号だからわざわざ私がここに来てるんだよ?りっちゃんが自分がしたことを理解してるなら私はここに居ないよ!わかっていますか?おバカさん2号!おバカさんは2人揃ってそこら辺の理解が足りないんじゃないかなぁ!何なら帰るよ私!」
「おい、いよな!お前今帰られたら……」
ちょっと激昂してしまいました。チャラくんがなんか言ってるけどでもこれは怒っていいよね?ていうかもう怒ってるもん!
「誰がおバカさん2号よ!いよなちゃんこそおバカじゃないの!どれだけ勉強見てあげたと思ってるのよ?しかも羅怜央くんが好きですって?なら今の状況は願ったりだよね?私と羅怜央くんは喧嘩中だし言い寄り放題だもんね!」
「喧嘩中じゃなくてもう別れてるの!そこを理解してないから面倒くさいことになってるんだよ?いい加減わかってよぉ!ホントりっちゃん勉強できるくせにそういうとこおバカなの何とかしてよ!あと今の状況で言い寄ったりするもんですか!チャラくんじゃないんだから!」
「喧嘩してるだけだから!」
「もう別れてんの!」
「いよなちゃん、広田さんも喧嘩しちゃだめだよ」
「「
今大事なとこだから口出さないで!もう少しで言い負かせるんだから!
「うわぁ~ん下司野くん〜」
「こうなったら決着付くまで放っとくしかねぇよ……コーヒー飲むか?羅怜央が淹れたやつほど美味くないけどな」
なに和んでんのよぉ!チャラくんが私を呼んだからこんな事になってんのよ?いやそれよりも今はりっちゃんに分からせる!
「大体これ見よがしにいつまで布団に入ったままなの?めちゃ元気じゃん!わざとらしいのよ病弱キャラでもあるまいしぃ!」
「今も体調悪いのよ!いよなちゃんが私を怒らせるから体調悪いのに言わなきゃいけなくなったんじゃない!言うに事を欠いておバカさんなんて、よりによって赤点クイーンのいよなちゃんに言われて屈辱なんですけど?」
「言ってくれるじゃない……この頭でっかちりっちゃんが!ちょっと勉強ができるからって何よぉ!でも私も今回は赤点取ってませ~ん!」
「頭でっかち……よくも言ってくれたわね!私が勉強だけの女だと思うんじゃないわよ!これでも羅怜央くんのオンナなんだからね」
まだ言ってる!ホントに分からず屋!
「元でしょうが!も・と!それにそれを言ったら私の方が付き合い長いんだからね!」
「ふん、付き合いが長いだけじゃない」
「なんですって!?」
「なによ?」
スマホをポチポチっとな、
『いやいや!茶楽雄くん……茶楽雄くんのがいいです!だからやめないで!もっとしてー!』
「いやーー!いよなちゃんズルい!こんなに出されたら私が勝てるわけない!」
「ズルくない!これが現実なんですぅ!あとあたしは勝てる喧嘩しかしません!まだ有るんだからね!」
さぁどんどん行くよ〜、
『お前は男の尊厳を踏み躙られて、一緒に歩んで培ってきた愛情がただの快楽に勝てないんだと突き付けられた男に、裏切られた屈辱と悲しさと情けなさを赦して更に辱められろと言うのか?』
『莉音、お前は俺達の信頼を裏切った。絶対に赦さないし赦しちゃいけないんだ。てかそれ以前にお前をもう信頼出来ないから、これ以上付き合うのは無理だわ』
「りっちゃん酷いよねぇ?ここまでラーくんに言わせてんのに、それをまるっと無かったことにしてまだ付き合いが続いてるって……りっちゃんなに様?」
あっ……りっちゃんまた黙っちゃった、いいやこのまま押し切っちゃえ。
『つまりお前はなにも考えてなかったってことだな!俺がどれだけ苦しむかも悲しむかも何も考えなくて、ただただ気持ちよくなりたかっただけなんだろう!?』
「実際ラーくんの言う通りなんでしょ?この時は気持ちよくなりたかっただけなんだよね?りっちゃんたまにそういうところ出てくるから。後先考えずに目先の利益に飛びつくところ?」
『今まででの話を聞いてて、お前の何を信じられるんだ?』
『せめて次に付き合うやつとは誠実に付き合えよ?』
「これってラーくんの中でりっちゃんはもう誠実な人ではないって事だよ?まぁ実際私から見てもそうだったし?今更これからはちゃんとしますとか言わないでね笑っちゃうから」
「私だって……」
「ん?」
「私だって本当は分かってたわよ……」
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