幼馴染のチャラ男に幼馴染の彼女を寝取られたがもう1人のあざとい幼馴染と恋人になって幸せになるかもしれない？

第28話 おバカさん1号対いよな

【安里 いよな　Side 】

「昨日はごめんねぇ、ラーくん凄い感じ悪かったでしょう？」

「あはは、そんな事は無かったよ？ただ、何か嫌なことでもあったかなって思っちゃったけど……個人的なことだから聞けないしね〜」

　やっぱり沙織ちゃんもラーくんの異常に気付いてるっぽいねぇ、ラーくん分かりやすいから……

「ちょっといろいろあってねぇ。機会があったら説明するよぉ」

「無理はしなくていいよ？でも分かった〜」

　今日はチャラくんから頼まれてたおバカさん2号ことりっちゃんと会う日。

　チャラくんの土下座に免じて会うことを承諾したけど、やっぱり納得はいかないな〜。

　チャラくんも沙織ちゃんの同行を嫌がるなんて生意気なこと言ってたけど、あたしがガツンと言って従わせたのです！

「このファミレスってラーくんと来たところでしょ？」

「あはは、やっぱり気になるんだ〜、いよなちゃんかわいいねぇ」

「そんな事ないもん！ないよ？」

　上目遣いに沙織ちゃんを見上げると沙織ちゃんの目がハートマークになって、

「や〜んもう！やっぱりいよなちゃん可愛いよ〜！」

　ガバッと抱きついてきた。まあ女の子に抱きつかれるのは好きなので気にしな〜い。

「お前ら何やってんだ？」

　あ〜おバカさん1号が来た！何やってるか見てわからないかな？

「おバカさん1号こんちゃ！」

「おバカさん？あ〜下司野くんお疲れさま〜」

「いよな、テメェそれやめろっつーただろうが。あとえーと安達だったか？関係ないのにお前も暇だな……」

　チャラくんがため息混じりにつぶやいた。しっかりと言い返したいけど、負い目があるから言えないってところかな？変なところで律儀というか、違うところで気を使って欲しかったというか……あと沙織ちゃんは無関係じゃないもん！

「で？りっちゃんことおバカさん2号は？」

「あ〜と……あいつは家で待ってる……出来ればいよな1人で来てほしいんだがな……」

「下司野くん、それは話が違うんじゃないかな？私も一緒に行くって約束だったよね？」

「だから……お前は関係ないだろーが……」

　ふーんそういう事言っちゃうんだ……まぁ語調が弱いから、自分でも言ってることが約束と違うことは認識してるっぽいけど、いよなちゃん少し怒っちゃったな？

「沙織ちゃん帰ろっか？おバカさん1号じゃーね」

「あ？いよなお前、何言ってんだ？」

「チャラくんこそ今さら何言ってんのかな？私たち3人でりっちゃんと会うって話だったよね、それが出来ないなら別に会わなくても良いし？そっちも無理することないんじゃないかな？ということでサヨナラ」

「ちょっ……はぁ……分かった、安達も来ていい。ただ話には入ってくるなよ？」

　このおバカさんは、相変わらず私たち3人以外には排他的だなぁ、でもそんなに私を怒らせたいのかな？

「おバカさん1号はホントに大丈夫？もしかして分かっててやってる？」

「何がだよ？」

「沙織ちゃんは無関係じゃないの！私を心配して一緒に来てくれた友達なの。あまり馬鹿にするとホントに帰るよ？」

　本気のトーンで警告する。これ以上沙織ちゃんを蔑ろにするような事を、言ったりしたりしたらホントに帰る。

　チャラくんがちょっと悲しそうな顔をして、

「分かった……安達すまなかったな……」

「分かってくれたら良いんだ、あまり言いたくないしね。だから言わせないでね？」

　チャラくんが伝票を取って会計に向かいながら、

「じゃあ行くぞ、2人共ついてきてくれ」

「ご馳走様です〜。じゃあ沙織ちゃん行こっか！」

「私は出すよ？」

「構わねぇよこれくらいは必要経費だ、あんたが来ないといよなも来ないみたいだしな……」

　おお、やっと分かったか！おバカさん1号！

　りっちゃんの家に到着！相変わらずおっきいお家。

「今はあいつの両親はいないから入ってくれ」

「りっちゃん家は久しぶりだな。大概遊ぶのラーくん家だったし」

「大っきいお家ね〜広田さんお嬢様なんだ……」

　お邪魔してりっちゃんの部屋に向かう、チャラくんがノックをしたら、

「どうぞ」

　弱々しい声で応えがあった。さてどんな話になるのかなぁ。