第21話 勉強会 1


 安達さんと新をリビングに通す。リビングにはいよなが……居ない?あれあいつ逃げやがったか?


「いらっしゃ〜い!新くんに……沙織ちゃん?」 


「あれ?いよなちゃんが居る〜」


「沙織ちゃんと新くんって付き合ってたの〜?」


「アハハハ、内緒だよ〜?」


 なんだ知り合いか?まあいよなは無駄に顔が広いからなぁ。それにコーヒー入れて来るとは気が利くな?


「いよな、コーヒーありがとう。それと友達か?」


「そだよ?ていうか隣のクラスなんだけど?あとコーヒーはいつも入れてるのにお礼なんていいよぉ」


 あっこいつ点数稼ぎしてやがるな?この2人相手に点数稼ぎして意味あんのか知らないけど……


「そーかそーか、なら俺はコーヒー淹れなくていいんだな?」


「あ〜ん!嘘ですぅ、ちょっと良いカッコしたかっただけなのぉ〜」


「アハハハ、いよなちゃん料理とか駄目だもんね?」


「ぶ〜!沙織ちゃん知らない!」


 ホントに気安い関係みたいだな。ならこっちも気を使わなくて良いかな。


「新、いい加減に起動しやがれ」


「根都くんよ、遊びに来た友人にいきなりそれはないんじゃないか?」


「誰が友人だ?あと勉強に来たんだろうが勉強に!しれっと遊びに来たとか言ってんじゃねーよ」


 やっぱりこいついよなに似てやがるな……やり難いな、つい気を許しちまう。


「ではではそろそろ勉強会始めましょう!」


 ナイスなタイミングで安達さんが声をあげてくれた。このままぐだぐだになるとこだった……


「安達さん助かったサンキュ」


「根都くん根が優しいから〜、仁くんには多少スパルタのほうがいいよ?」


「りょーかい、それで新はどこが分からないんだ?」


「どこが分からないんだか分からない……」


 何だと?現実世界でその言葉を聞くことになるとは思わなかった……念の為安達さんの方を見ると、コクコク頷いてたのでホントらしい。仕方ない1年の問題集からやらせよう、遠回りでもそっからのほうがいい気がする。


「分かった、新はこの問題集を解け。さすがに1年の問題は解けるだろ?安達さんは新の監督を頼む。いよな、お前は英語と物理だな?」






 やはりいよなと新は似てるな……方向性さえ示してやればちゃんとやるとことか。まあそれまでが大変なのもそっくりだけどな。これは安達さんも苦労してそうだな。


「安達さん、新の勉強見るの大変だろう?いよなもそうだからよく分かるよ」


「やっぱり分かっちゃう?あの2人似てるもんね?」


 やっぱり安達さんもそう感じるか……


「やらせるまでがまぁ大変でな……」


「そうそう、やり始めたらやれるのにね」


「まったく」


「困ったもんだよねぇ」


 同士がここに居る……初めての同士が!茶楽雄も莉音もいよなに教えることはするけど、ケアはしやがらなかったからなぁ。机に着かせるのがどれだけ大変か理解してくれる存在がこんなに嬉しいとは!


「あ〜!ラーくんが沙織ちゃんを口説いてる!いけないんだよ沙織ちゃんには彼氏さんが居るんだから!」


「あ〜!沙織、お前彼氏の前で他の男とナニしてやがった!だけど俺はお前を信じてるぞ!」


 コイツラがチャチャを入れてきたって事は、小休止のタイミングかな?


「あ〜はいはい、信じてくれて嬉しいよ〜。じゃあ少し休憩しようか!」


 うん、安達さんも分かっているな……ここは任そう。


「じゃあ俺はコーヒー淹れてくるわ、安達さんと新もいるだろ?」


「ありがとういただきます〜」


「いるいる、眠気覚まし!」


「あたしもいる〜」





 淹れて来たコーヒーを2人に振る舞う、いよなはキッチンへコーヒーの味変に行ってる……


「あっ美味し……」


「嬉しいな、そう言ってもらえると」


「いやマジで美味いな、店出せるんじゃね?」


「バーカ言い過ぎだよ、でもサンキュな」


「あれ?根都がデレた?」


 コーヒー褒められると嬉しいな……いよなは味変するし、莉音は基本的に紅茶党だし、茶楽雄は1番飲むくせに褒めやがらないしで張り合い無かったんだよな〜


「いや〜嬉しいからどんどん問題解かせちゃうよ?」


「あれ?褒めたのに仇になってる?」


 何でだよ今日の趣旨にあってるじゃねーか!


「良いからキリキリ解け!ほれいよなもガンガン解け!」


「お〜根都くんがノッてきたね」


「いや〜!こうなったらラーくんは止まんないよ〜」


「マジか安里さん!何とかしてくれ幼馴染だろう?」


「わ〜ん無〜理〜!」


「ほらいいからドンドン解け!」


「「助けて〜」」






◇◆◇◆


お読みいただきありがとうございます。


私は勉強会しても大概遊んでたな……そう考えるとこいつら真面目ですね。うんいいことだ!


次回も読んでいただけると嬉しいです。



カクヨムコン用連載です!

あまり手を出していなかった異世界ファンタジーです!

「マンホールに落ちたらそこは異世界でした〜スマホでつながる妹と現地のヒロインどっちが良い?〜」


https://kakuyomu.jp/works/16817330666797269651


私の作品なので変かもしれませんが、もしよければ御一読ください!

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