第22話 勉強会 2


 その後も勉強会は順調?に進んだ。いよなが俺の部屋からゲームを引っ張り出してきたり、それに新が乗っかってゲーム大会になだれ込もうとしたり、それを俺と安達さんが必死に止めたりしたが順調に進んだ。


「いよなが2人分でも言うほど大変さは変わらないな」


「そうだね〜、仁くんといよなちゃん2人で1.5仁くんくらいの大変さだから、私達2人がかりなら何とかなるね!」


「これは、次の期末も勉強会やろう!」


「そうだね!これは画期的だよ!」


「え〜またやるのぉ〜?」


「次はやらなくてよくね?」


 あらよな(新といよな)が不満をぶーぶー言ってるが、こっちもこんなチャンス逃せられるか!


「やかましい!嫌なら普段から勉強しやがれ!」


「そーだそーだ!」


「やるやる!やるから、勉強会はやめとこーぜ?」


「はん!そんな口約束が信用できるか!実績を見せてみろ。そうだな……三学期の期末までしっかり自分で勉強したと認められたら考えてやる!」


「そんな〜じゃあ三学期の期末まで勉強会確定なのぉ?」


「はっ!そういうことになるのか?ズルいぞ根都!」


 バカヤローそれが今までの信頼と言うものだ!言ってみれば、こと勉強に関してはお前達に信頼なんかないんだよ!


「嫌なら赤点取って補習受けるか?」


「ぐぅ……」


 ほらぐうの音も出ないだろ、お前らのためなんだから言うこと聞きやがれ!あと少しは楽させろ!


「ほらグズグズ言わないの!今日はもう終わりにしてあげるから!少し遊ぼう?ね?仁くん」


 安達さんが子供をあやすように新に言い聞かせていた……母性溢れてんな?恋人というより親子だな……


「いよなもブーたれてんなよ?お前もやれば出来るんだから少しはやれ!」


「ラーくん分かってないな〜!やれば出来るは、やらないから出来てないんだよ?」


「おー!安里さんそれ名言!ハラショー」


「仁くんいけません!メッ!」


 ホントに親子みたいだな……てーか新も安達さんには甘えるのな。もうちょいスキのない奴ってイメージあったのに。


 いよななんかは全方位に甘え倒すから、そこら辺が新との違いと言えば違いだな。どっちもろくでもないな……


「遊ぶならボードゲームでもやるか?」


「人◯ゲーム?ラーくん好きだよねぇ」


「久しぶりにやりたいかも!」


「TVゲームじゃなくてレトロゲームもたまには良いな」


 おお!結構食いついてくれてるな!なら俺が銀行をやろうじゃないか!さあゲームを始めよう!




 なにげに新がムキになって勝ちに行くのが意外だった。曰く「本気でやったほうがこういうゲームは楽しいからな」だそうだ。同感だな……

 安達さんは普通に楽しんでいる感じで、そんなにムキになって勝ちに行くでもない。でも1番勝ってたのが意外にも安達さんだった……解せぬ。

 いよなはこういうゲームはその時々の状況を楽しんで順位は気にしないタイプだから、ある意味1番このゲームを楽しんでいるかもしれない。

 俺は今回はホストとしてみんなに楽しんでもらうように動いた。そういうのも案外楽しいのは新たな発見だったな。意外と茶楽雄がそういうプレイスタイルだったのも、そういう楽しみに気付いていたからかもしれない。



 時間も夕刻になってそろそろお開きにすることになり、玄関まで新と安達さんを送り出した。


「じゃあまた月曜日にな?」


「おう!今日はありがとよ」


「いよなちゃんまた学校でね♪」


「沙織ちゃん気を付けて帰ってねぇ?新くんちゃんと送ってあげてよ?」


「あいあい、お任せあれ!」


「根都くん、今日はおじゃましました」


「いや、大したお構いもできませんで。また来週もよろしく」


 そう、この勉強会は主に俺と安達さんに好評につき、来週も開催されることが決定していた。反対派が2名いたがその意見は黙殺されていた……


 2人を見送って家に入ろうと振り返ったとき、目の端に電信柱の陰からこちらを覗いている人影……ぶっちゃけ莉音、をかすめたが敢えて無視して家に入っていった。あいつも暇なやつだな……茶楽雄はなにやってんだ?


「どしたのラーくん?渋い顔して……」


「いやなんでもね……」


 あいつとは終わっている。出来ればもう絡みたくないな…… 






◇◆◇◆


お読みいただきありがとうございます。


莉音さんはまだ未練があるみたいですね……

茶楽雄くんはこんな莉音さんを落とせるのか?


次回も読んでいただけると嬉しいです。



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