第6話 浮気 4
恥ずかしさもおさまって(いよなは知らない)ある程度冷静さも取り戻してきた、なら話さないわけにはいかないよな……
「あの様子だと初めてってわけでもなさそうだな……うぷっ」
「ラーくん大丈夫?」
「大丈夫だ……」
くそっ考えるだけで込み上げてくるものがあるな。
「なんで茶楽雄が莉音にちょっかいかけたのか、なんで莉音が……茶楽雄に靡いたのか」
「え?」
「どうした?」
「りっちゃんがなんで靡いたのかは分からないけど……チャラくんはずっとりっちゃんの事好きだったんだよ?」
「マジ?」
「うん……6年生の頃には多分……」
全然気付かなかった……
「えっちょっと待て?そんな前から?でもあんとき良かったなって言ってくれて……それからも俺と莉音は付き合ってて……俺って最低じゃね?」
親友の好きな女を横恋慕して掻っ攫って、それを当たり前に報告してあまつさえ惚気を聞かせてた……最低じゃん……
「最低だよな、最低だよ。なんで茶楽雄は俺との付き合い続けていたんだ?」
「チャラくんの気持ちは私分かるなぁ……りっちゃんのこと好きだけどラーくんのことも好きで、でもラーくんのこと憎くて嫌いになりたいのになれない。そんな気持ち」
うわぁいよなも分かるのか……しかも結構具体的だな?
「でも、それとこれとは別物だよねぇ?いくらりっちゃんのことが好きでも今はラーくんの彼女さんなんだから、好きな気持ちを抑えなきゃいけない。それが出来ないならラーくんの親友は名乗っちゃ駄目だと思うの」
強い口調で言い切った。怒ってくれているのか?
「あんなの見ちゃったからなぁ……こんな気持ちじゃもう茶楽雄とは付き合えないよなぁ……てか、会った瞬間殴りそう」
「暴力は駄目だよ?それでこれからもりっちゃんとは付き合えそう?」
痛いとこを突いてくる。
「いや、どうなんだろうな……今でも胸が痛えけど好きだからなのか裏切られたせいなのか分からねえ」
「まだ好きなんだろうなぁって私は思うよ?好きだから裏切られて苦しい思いをするんだよ……りっちゃんのこと許せる許せない?」
そこからなんだろうなぁ、莉音のこと許せるか許せないかで言うなら許せない。でもなら別れるのかと聞かれると別れたくない。でもこれは多分ただの未練ってやつで、現実的には別れるしかないんだろうな。
「もうあの4人には戻れないのかな」
「ラーくんが言ってるのが小学校時代を指してるなら、厳しいこと言っちゃうけど無理だよ?あの関係はラーくんがりっちゃんのことを好きになって告白した時点で終わっちゃったんだぁ」
え、そうなの?そんな前から終わってたのか……俺はずっと続いていると思っていたのに、そう思っていたのは俺だけだったのか?
「いよな……厳しいな?」
「私だってりっちゃんとチャラくんには怒ってるんだよ!?でもラーくんにも思うところがあるんだもん!」
おうふ、いよなさんが全方位に荒ぶっておられる……
「俺に思うところ?」
「言えないけどぉ……言えないけどいろいろあるのぉ!」
そうですか、結構理不尽だな。
荒ぶるいよなさんを宥めすかして落ち着かせる。
「明日からどうするかなぁ」
「登校とか昼食とかだよね?」
「そう、クラスが違うから授業間の休憩時間は会わないけど、登下校と昼食の時は大概一緒だからな~」
「ラーくんがどうしたいかじゃないかな。お別れしたい?続けたい?ラーくんさっきから話逸らしているよねぇ」
結局そこに行っちゃうか~、
「別れるしかないのは分かってるんだけど、なんか釈然としないっていうか?普通に別れても茶楽雄とくっついて終わりみたいな?納得いかねぇ」
「ならこういうのはどうかな?りっちゃんとチャラくんの浮気現場に突撃してそこでお別れを突き付ける!ふたりは唖然ボー然」
「えー2人がしてるところに突撃するのか?俺もダメージ食らうじゃん」
「そこは肉を切らせて骨を断つんだよ!」
なに言ってやがるんだこいつ?
「まあでもそれくらいの事しないと、俺も踏ん切りつかないかもな……」
今だに別れない理由を頭の中で探してる俺には、これくらいの荒療治をして後戻りできなくさせたほうがいい。
「やってみるか」
◇◆◇◆
お読みいただきありがとうございます。
羅怜央くんといよなちゃんの謎理論が展開されました。書いてて意味わかんなかったです……意味が分かる方解説をお願いします。
次回も読んでいただけると嬉しいです。
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