第15話 別離 羅怜央と茶楽雄


「待たせたな茶楽雄……」


 さて、さっきチョーパンくれて黙らせた茶楽雄を起こそうか?とりあえず往復ビンタで起床させることから試みる、


「おーきーろー茶ー楽ー雄ー」


 起きないか、パーをグーに変えて殴ってみるか?いや、念のためもう一度ビンタを試そうか、ん?


「茶楽雄起きたか?」


「てめぇ羅怜央やりたい放題しやがって……」


「やかましい、こっちのセリフだこの間男が」


「日本語ぐらいちゃんと使え、間男は夫のいる女の浮気相手の事だ。お前旦那と違うだろうが」


 出たよ、妙に理屈臭いところ。昔からこいつはこうだ、チャラいくせに根が真面目……彼氏がいる女に手を出す男じゃなかったはずなのに。


「なんで莉音に手を出した?お前が莉音に惚れてることはいよなから聞いたが、それでか?」


「他になにか理由がいるか?莉音に惚れたのは俺が先だ……」


「恋愛が早いもん勝ちなら確かに勝負にならないな、でも違うだろうが莉音は俺の彼女だった。それに手を出すのは筋が違うんじゃないか!?」


「それなら、親友が惚れている女を横から搔っ攫うのは筋が通っているのか?ああ?」


「悪かったな知らなかったんだよ!しょうがないだろが!」


「知らなかったで済むかよ、俺がどんな気持ちでお前らを見てたと思う!?何度お前を殺してやろうと思ったことか。わかるか?親友と惚れた女がいちゃついてるところに居なきゃいけない辛さが……」


 分かるけども、いや分からんか……想像しただけで鬱になるわ。


「それスゲーよな……俺なら耐えられないわ~。ねぇどんな気分?そん時どんな気分だった?」


「なに好奇心出してんだよ!じゃあこっちも聞いてやるよ、親友に彼女寝取られてどんな気分だよ!?」


「あ?てめぇケンカ売ってんのか!」


「さっきからずっと売ってんだよ気付けやボケェ!」





 とりあえず茶楽雄を返り討ちにして倒れ伏した背中に座ってる。

 莉音はいよながどっかに連れて行ったみたいだな……まあいよななら下手なことはしないだろ。莉音に言いたいことは言ったし、これ以上は恨み言になっちまうからみっともないし……


「何なんだよ……今日はやたら強ぇ」


「当たり前だ馬鹿野郎、こんなんでもマジでキレてんだよ」


「クックック、寝取られ男が何マジギレしてんだよ」


「人の座布団になってるやつが偉そうに喋んな」


「誰が座布団だ!コラ!」


「お前以外にここに誰が居んだよ?」


 さぁそろそろ本題に入ろうか……


「すまなかったな……」


「あん?」


「知らなかったとはいえ莉音に……」


「ばかやろう、恋愛は早いもん勝ちだろうが……お前のほうがアクションが早かった、それだけだ。それにお前が詫びるなら俺も詫びなきゃならねぇじゃねーか」


「ホントだな、ほら詫びろ!すぐ詫びろ!ごめんなさいだ!」


「うっせぇよ誰が詫びるか……」


「後悔はないんだな?」


「当たり前だ、惚れた女をなりふり構わず奪いに行った。なんの後悔もない……」


 チッ、覚悟決めてやがる……


「ならお前とはここまでだ……」


「あぁそうだな……」


 茶楽雄の上から退きながら、


「1ついいか?」


「何だ?」


「莉音のこと……頼まれてくれないか?」


「フン!言われるまでもない。あいつは俺が落とす」


「フラれたら指差して笑ってやるよ」


「言ってろ」


「…………………」


「…………………」


「じゃあな」


「ああ」


 これで茶楽雄しんゆうともさよならだ……






◇◆◇◆


お読みいただきありがとうございます。


なんか両者ともにいい感じでカッコつけていますが、茶楽雄くんは下スッポンポンです(笑)


次回はいよなちゃんと莉音さんのお話になります。


次回も読んでいただけると嬉しいです。



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私の作品なので変かもしれませんが、もしよければ御一読ください!

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